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リーダーシップとは? 理論や種類、スタイルとリーダーシップのある人の特徴を紹介

リーダーシップとは? 理論や種類、スタイルとリーダーシップのある人の特徴を紹介

リーダーシップとは、カリスマ的なリーダーによる力強い統率力のようなイメージがありますが、実はさまざまな種類があります。部門や部署、あるいはプロジェクト単位において、リーダーシップが求められる機会は多岐にわたります。

働き方改革や生産性向上などによって、今後さらにリーダーシップの重要性は高まるでしょう。本記事ではリーダーシップとマネジメントとの違い、リーダーシップの理論や種類、リーダーに共通する特徴などについて簡単に解説します。

リーダーシップとは

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リーダーシップは、「統率力」「指導力」などとも呼ばれ、組織やチームのリーダーには必須のスキルとされています。リーダーシップは、部門や部署、プロジェクトなど、規模の大小を問わず、組織目標を達成するために求められるのが一般的です。

また、組織目標を伝えてメンバーに行動を促したり、組織目標がいかに経営方針とリンクしているかを伝えたりすることも、リーダーシップにおける重要な役割です。リーダーシップは、組織目標の達成を目的とし、組織のメンバーに対して影響力を行使するものともいえるでしょう。

マネジメントとの違い

マネジメントとは、資源や資産・リスクなどを管理し、経営上の効果を最適化しようとする手法のことをいいます。企業におけるマネジメントは、「経営・組織を管理すること」といえるでしょう。

マネジメントとリーダーシップは、相互に補完する関係にあります。「組織目標を達成する」という目的は同じですが、取るべき行動が異なります。マネジメントに求められるのは「組織を維持して統制すること」。リーダーシップは「組織を率いて、環境の変化にも対処する行動を示すこと」が求められています。

リーダーシップの目的

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リーダーシップには、大きく分けると3つの目的があります。目的を明確にすることによって、どういう場面でどのようにリーダーシップを行使すべきか理解しやすくなるでしょう。

① 目標を達成する
リーダーシップの目的の1つは、組織目標の達成です。組織目標を明示せず、メンバーが自律的に動いてくれることはありません。組織を引っ張り、メンバーを動機づけるためにはリーダーシップが必要です。

② 組織内の結束を高める 
組織内の結束を高めることも、リーダーシップの目的の1つです。組織には、さまざまなメンバーがいます。性別も年齢も国籍も多様で、個々の価値観や考え方、仕事の進め方も異なります。どのようなメンバーがいたとしても、組織内の結束を高めることで組織の士気が上がり、生産性・効率の向上につながります。

③ 個人の成長を促す
メンバー個人の成長を促進することも、リーダーシップの目的です。各メンバーにリーダーが向き合い、現在の能力を把握する、個々の目標を設定する、能力を高めるために仕事や課題をアサインする。このようなリーダーの行動によって、メンバーの成長を促していくことができるでしょう。

リーダーシップ理論とは

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組織やチームで成果を導くためには、どのようなリーダーがふさわしいのか。どのようなプロセスをたどればいいのか。その共通点や法則を模索するのが「リーダーシップ理論」です。
「PM理論」はじめ、代表的な4つの理論を見てみましょう。

PM理論

リーダーシップには、さまざまな考え方があります。1966年に日本の経営学者・三隅二不二(みすみ じゅうじ)によって提唱された「PM理論」は、リーダーシップの古典的な分析の1つとして知られています。まずは、この理論からリーダーシップのあり方について見てみましょう。

PM理論とは、リーダーが取るべき行動に着目した行動理論です。「目標達成機能(Performance)」と「集団維持機能(Maintenance)」のどちらを重視するか。PとM、この2軸でリーダーシップについて説明しています。工場の現場を例に挙げると、リーダーの行動は以下のように2つに分類できます。

PM理論の例
P行動(目標達成機能) ・作業員に品質や安全ルールを守らせること
・高い品質目標を掲げること
・ルールを守らせるために強く伝えたり叱ったりすること
M行動(集団維持機能) ・作業員の意見に耳を傾けること
・作業員の間で対立が起きたら、それを解消するために働きかけること

PM理論は、どちらか一方の行動だけが優れていればよいというわけではありません。PとM、どちらも強い状態が理想的なリーダーとされています。

たとえば、M行動よりP行動の方が強いときは、ルール遵守や計画の実行などにおいてメンバーに動機づけをすることができるので、短期的な成果を上げることには効果的です。

ただし、M行動が弱いと、人間関係への配慮が小さくなるため、長期的に見れば組織内の関係性が悪くなったり、成果を出し続けたりすることが難しくなったりします。ですから、PとM、どちらも強い状態が理想的といえるのです。

特性理論

もっとも古典的なリーダーシップ理論といわれています。リーダーシップとは「先天的な能力や特性」であるという考え方です。リーダーには、共通して持っている特性や資質があるとしています。

行動理論

リーダーシップとは先天的な能力ではなく、「行動」によって発揮されるものとしている理論です。リーダーの中でも、優れたリーダーとそうでない者の行動を比較し、優れたリーダーの行動の類型化を試みています。そのためリーダーを育てるための理論として注目されました。

条件適合理論

リーダーの取るべき行動は、「メンバーの課題や条件によって変わる」という理論です。優れたリーダーは、類型化できるような特定の行動様式を持っているわけではなく、リーダーシップのスタイルを状況に応じて使い分けている、としています。

コンセプト理論

条件適合理論を発展させた理論です。さまざまな環境や組織でのリーダーシップのあり方を示して、現在のリーダーシップ理論の主流となっています。代表的なのは、以下の5つのタイプです。
 

コンセプト理論の代表的なリーダーシップ
カリスマ型 並外れた発想力や行動力を持った、カリスマ的リーダーによって組織を力強く統率していくタイプのリーダーシップ
変革型 前例や慣習にとらわれず、大きな改革に挑むことができるリーダーシップ。組織のビジョンを変革する者がリーダーであるという考え方
人間関係を重視し、メンバーの感情に働きかけることを重視したリーダーシップ。EQとは、「Emotional Intelligence Quotient」の略
ファシリテーション型 メンバーの自発的な行動を尊重し、メンバーの成長を促すタイプのリーダーシップ。上司と部下ではなく、「メンバーと同じ目線に立つ」という考え方
サーバント型 リーダーがメンバーのサポートをするタイプのリーダーシップ。リーダーが裏方にまわり、メンバーのバックアップを中心におこなうという考え方

リーダーシップの種類

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リーダーシップには、さまざまな種類があります。クルト・レヴィンとダニエル・ゴールマン、2人の心理学者によるリーダーシップ研究をもとにリーダーシップの種類を見てみましょう。

これらは、どのリーダーシップがベストということではありません。会社の組織風土や事業内容、短期的・長期的な成果などといった視点から、自社に合ったリーダーシップを検討してみましょう。

クルト・レヴィンが提唱した3種類のリーダーシップ

クルト・レヴィンはドイツに生まれ、アメリカで活躍した心理学者です。レヴィンは、リーダーシップを「専制型リーダーシップ」「民主型リーダーシップ」「放任型リーダーシップ」の3つに分類しています。

① 専制型リーダーシップ
メンバーの行動や意思決定、それらすべてをリーダーが決めるタイプのリーダーシップです。強いリーダーシップが発揮されると、短期的に高い成果を上げることができるといわれています。

ただし、専制型リーダーシップの下では、メンバーの自主性が育たず、リーダーの指示を待つ受け身の姿勢になりがちです。そのため、メンバー個人の能力向上や成長を見込むことは難しくなるといわれています。

また、メンバーがお互いに関心を持たず、リーダーの方を向いて仕事をするため、チームワークがおろそかになってしまうリスクも指摘されています。

② 民主型リーダーシップ
メンバーが意思決定できるように、リーダーがサポートに徹するタイプのリーダーシップです。リーダーは、助言はおこなうものの、メンバーの決定を尊重します。

民主型リーダーシップは、メンバーが自ら計画を立案し、実行手段や進捗管理などについても考えるため、組織内の自主性が高まるといわれています。また、メンバー間のコミュニケーションが活性化するため、チームワークの向上も期待できます。

間違った方向にメンバーが進んだときも、リーダーが介入するため軌道修正がききます。時間はかかるものの、組織として大きな成果を上げられるようになるでしょう。

ただし、メンバーや組織の成長は時間がかかるため、短期的な成果は見込みにくいといわれています。

③ 放任型リーダーシップ
メンバーの意思決定や行動にリーダーが関与せず、すべてメンバーに任せるタイプのリーダーシップです。
組織を導くリーダーが介在しないと、メンバーはどのように行動すべきか迷ってしまいます。メンバー間のコミュニケーションも活性化せず、目標達成も上手くいかないことが多いといわれています。

ただし、組織に属するメンバーの能力が高く、自律的であれば、放任型リーダーシップは高い効果を発揮するといわれています。上司の承認を待たずメンバー間で物事を決めていけるので、意思決定も速く、スピーディーに業務が進んでいきます。

メンバー間のコミュニケーションも活発になり、組織全体が活性化しやすくなるといわれています。

ダニエル・ゴールマンが提唱した6つのリーダーシップ

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ダニエル・ゴールマンは、アメリカで活躍した心理科学者です。ゴールマンは、リーダーシップのタイプを6つに分類して、それぞれの特徴を明らかにしています。

① ビジョン型リーダーシップ
組織としてのあり方・ビジョンを明確に掲げて、メンバーを導くタイプのリーダーシップです。前向きなリーダーシップの代表であり、目標達成の手段もメンバーに委ねるため組織の自律性が高まります。ビジョン型リーダーシップでは、組織目標を達成する方法をメンバーによく考えて決定させます。そのため目標達成行動においてもメンバーの納得感が高く、組織への帰属意識も高まるとしています。

② コーチ型リーダーシップ
リーダーとメンバーの「1対1」の関係を重視するタイプのリーダーシップです。メンバーの能力、強み・弱みなどについてリーダーが把握し、かつメンバーにもきちんとフィードバックをしたうえで仕事を進めます。

そのため、メンバーは自身の能力をよく理解できるようになり、能力に合った仕事を割り当てられることで能力向上のビジョンを描きやすくなるといわれています。

③ 関係重視型リーダーシップ
リーダーとメンバー、あるいはメンバー同士の人間関係を重視し、組織目標の達成を目指すタイプのリーダーシップです。良好な人間関係を重視するので、組織に属するメンバーは働きやすくなります。

ただし、組織目標を達成するには、メンバー間の競争心を育むことが有効な場合もあります。人間関係を重視する余り、組織目標と乖離(かいり)した組織風土にならないよう注意が必要です。また、リーダーとメンバー共に、組織内のコミュニケーションに時間を取られ過ぎる難しさもあると指摘されています。

④ 民主型リーダーシップ
組織目標の達成に向けて、リーダーがメンバーの意見を広く受け入れていくタイプのリーダーシップです。多様な意見やアイデアが生まれ、組織内のチームワークも高まるといわれています。消極的なメンバーも意見を言いやすくなるので、意見を表明しやすい組織をつくることが可能でしょう。ただし、リーダーが意見を聞き過ぎて組織がまとまらず、組織の方向性があやふやになるリスクも指摘されています。

⑤ ペースセッター型リーダーシップ
リーダー自身が高い成果を示して、組織内を鼓舞するタイプのリーダーシップです。意欲的で能力が高いメンバーが集まっている組織では、このタイプは有効に機能するといわれています。リーダー自ら高い目標を達成するため、メンバーに対して達成のプロセスを見せられる効果もあるでしょう。

ただし、リーダーの行動にメンバーがついてこられない場合、目標達成におけるリーダーにかかる負荷が非常に大きくなります。そのため、リーダー自身が疲弊してしまうリスクがあると指摘されています。

⑥ 強制型リーダーシップ
リーダーの権力や命令によって、メンバーに言うことをきかせるタイプのリーダーシップです。リーダーが決定権を握り、メンバーはリーダーの指示に従わなければなりません。短期的に必ず目標達成することを会社から求められる場合には、高い効果を発揮するリーダーシップといえるでしょう。

ただし、強制型リーダーシップは、通常の組織運営においてはメンバーが何も考えなくなるため、成長を見込むことはできなくなるといわれています。チームワークの発揮が難しくなるリスクも指摘されています。

リーダーシップスタイルとは

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リーダーシップスタイルとは、リーダーがチームをリードし、成功に導くための方法です。さまざまなスタイルを状況に応じて使い分けることで、理想的なリーダーシップが実現できるといわれています。代表的なスタイルと、それぞれに必要な能力を見てみましょう。

ビジョン型

リーダーが思い描く夢や目標をチーム全体で共有して、メンバーのモチベーションを高めるスタイルです。新しいアイデアや行動の変化が信頼を生み、チームの結束力を高めていく効果が期待できます。

ビジョン型では、目標設定能力が重要です。組織目標は、会社の経営方針と切っても切り離せません。そのため、経営方針と組織目標をしっかりとリンクさせる力が必要となります。具体的に数値化できるところは数値化して目標を設定することが、成果に大きく影響するといわれています。

コーチ型

メンバーの特徴を見極め、能力向上の支援をすることに特化したリーダーシップのスタイルです。明確な期待値を設定し、モチベーションの高い環境づくりをおこなっていきます。

コーチ型に必要な能力としては、アセスメント力があります。これは個々のメンバーの力量を見極めて評価をおこない、適切に把握するための能力です。能力向上を支援するためには、メンバーに自律的に動いてもらわなくてはなりません。コーチ型では、コミュニケーションスキルも重要になります。

親和型

チームメンバーとの感情的なつながりをつくり、友好関係を築きながら成功へと導くスタイルです。親和型では、組織内の友好関係、信頼関係を重視するため、高いコミュニケーションスキルが必要となります。

ペースセッター型

前述したように、リーダー自身が高い成果を示し、組織内を鼓舞していくスタイルです。パフォーマンスを重視し、高い目標基準を設定する傾向にあるため、短期間で成果を出すためには効果的です。

このスタイルで求められる能力は、目標設定能力や主体性・当事者意識を強く持つことです。主体性・当事者意識とは、誰かに命じられておこなうのではなく、自ら率先して取り組む姿勢のことをいいます。

ペースセッター型では、リーダー自身が自らメンバーに目標達成に向けた行動を示します。高い目標を設定し、率先して取り組む姿勢は、メンバーの主体性・当事者意識を育む効果も期待できるといわれています。

変革型

リーダー自ら、新たな取り組みに積極的に挑んでいくスタイルです。チームの目標設定とモチベーションの高い環境をつくることができる、コーチ型と似たスタイルといえるでしょう。

リーダーの役割とは

リーダーとは、チームや組織をまとめる立場ゆえに、メンバー一人ひとりの力を引き出し、けん引していく存在にあります。そのためどういった役割を求められているのでしょうか。代表される3つの役割を紹介します。

目標を設定すること
組織やチームをまとめるためには、一つになって目指せる目標を設定することが必要です。それによって、チーム力が高まりますし、ブレない組織(またはチーム)がつくれます。

計画を立てること
目標の設定と同時に必要なのは、目標を達成するまでのスモールステップの計画を立てることです。どのような手順で、いつまでに、何を目指すのか。具体的なスケジュールや小さな目標を設定することで、メンバーも一歩を踏み出しやすくなります。

メンバーをモチベートする
そして3つは、メンバーの行動をマネジメントすることです。とはいっても、単に管理するだけでなく、メンバーを育てるために、目の前の仕事に対して「意味づけ」「動機づけ」をおこなうこと。それによって、間違いなく全体の士気も高まり、最終的な目標達成の確度も上がるでしょう。

リーダーシップに必要な能力

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ここまで見てきたようにリーダーシップには、さまざまなタイプやスタイルの組み合わせがあります。これらの研究をもとに、リーダーシップに必要な能力を整理してみました。

・目標設定、計画立案、戦略策定
企業が目指す理念やビジョンを具体的な目標として設定し、メンバーに示す。それを実現するための現実的な計画を立て、業務遂行の指示をする。こうした能力はリーダーには不可欠といえるでしょう。組織全体を率いるリーダーには、3~5年後のビジョンを描き、それを実現するための戦略策定の能力も求められます。

・主体的な行動力と客観的な判断力
目的や課題に対して受動的でなく、主体的に取り組む。指示を受けたことを単にこなすだけでなく、自ら目標や課題を見つけ、自立的に行動する。こうした姿勢は、多くのリーダーに共通しています。また、その行動のリスクを含め、客観的に判断できる能力も必要といえそうです。

・コミュニケーションスキル
組織やチーム、プロジェクトなどの目標を達成するときに必要なのは、的確な指示を出せるコミュニケーションスキルです。業務遂行の指示をはじめ、メンバーに対して常に声をかけ、励まし、相互に助け合う風土をつくるなど、組織やチーム全体のコミュニケーションを活性化していく能力も求められます。

・動機づけ
人の心を動かすことができるのも、優秀なリーダーに共通している特徴です。メンバーのモチベーションを管理することも、リーダーシップには必要な力となります。メンバーに仕事の意味や目的を伝え、チーム全体をやる気にさせる。「動機づけ」のスキルは、組織やチームを動かしていくうえで欠かせないでしょう。

・人材育成
どんなにリーダーが優秀であっても、1人でできることには限界があります。組織目標の達成や大きなプロジェクトを成功させるためには、他のメンバーの力が不可欠。メンバーの成長なくして、組織の成長もありません。人材育成も、リーダーシップに求められる能力の1つです。人を育てることができるリーダーは、より大きな力を発揮することができるでしょう。

・課題解決
目標達成のための計画を立てても、計画通りに進むとは限りません。そんなときに課題を見つけ、解決する力もリーダーには必要です。目標と現状のギャップを指摘し、問題点を明らかにする。計画と現実が乖離(かいり)した場合に備え、その対応策も用意する。課題解決の能力も、リーダーに求められる力の1つでしょう。

リーダーシップのある人の特徴

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リーダーシップがある人には、いくつかの特徴があります。ご自身や組織のリーダーは、どのような部分が合致しているのか、不足しているものは何か、以下のリストをチェックしてみてください。

・  周りの意見や希望を業務や働き方に反映できる謙虚さがある
リーダーシップのある人は、謙虚さも持ち合わせています。自分本位でメンバーの気持ちを尊重できない。自身の価値観を押し付ける。こうしたリーダーでは、信頼を得ることはできないでしょう。多様性が重視される昨今では、周りの意見や希望に耳を傾け、業務や働き方に反映できることが特に重視されています。

・  信頼を得るための誠実さがある
組織やチームを動かしていくためには、メンバーの信頼を得ることが重要です。尊大な態度を取る人や、人に対してストレスや不快感を与える人は、チームの障害となるでしょう。誰に対しても分け隔てなく接し、他者への配慮ができる。リーダーには、そんな信頼を得るための誠実さが求められています。

・  適切な距離感を保ちながら信頼関係を築ける
リーダーは、メンバーとの距離感も重要です。特定のメンバーとだけ親しい、一部のメンバーに対しては距離を取るなど、そのような接し方では、チームワークを築くことは困難です。どのメンバーに対しても適切な距離感を保ちながら、信頼関係を築くことができる力もリーダーには必要とされています。

・  周囲の感情を早期に察知して適切な行動が取れる
状況を把握できる能力も、リーダーに必要なスキルの1つです。周囲の感情を早期に察知し、適切な行動が取れる。モチベーションが落ちているメンバーがいたら声をかけて励ます。ストレスを感じているメンバーがいたら理由を聞いて休ませる。リーダーには強い統率力と同時に、繊細な気配りも求められるでしょう。

・  成果だけではなくプロセスも重視できる
優秀なリーダーは、成果だけでなく、プロセスも重視します。目標を達成できなかった場合でも、その原因を探ることで次につなげることができるからです。また、努力したことや頑張った行動も評価されれば、メンバーの士気が上がり成長が期待できるでしょう。

・  相手の立場や心に寄り添い尊重ができる
「アサーティブ・コミュニケーション」という考え方が注目されています。これは、お互いを尊重しながら意見を交わすコミュニケーションのことです。アサーティブとは「自己主張」という意味ですが、それだけではメンバーはついてきません。リーダーには、相手の立場や心に寄り添い尊重できる力も必要とされています。

・  課題やトラブルから背を向けない責任感がある
リーダーには、組織のために重要な決断をする役割があります。その決断には、責任を取る覚悟も求められます。どんな計画にもリスクはつきもの。周囲の反対や批判もあるでしょう。どんな状況でも逃げずに立ち向かい、課題やトラブルから背を向けない責任感もリーダーには必要な資質といえるでしょう。

リーダーシップを身につける方法

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リーダーシップは天性のものではなく、トレーニングすれば、身に付けられます。では、どのようにして、リーダーシップを身に付けていけばいいのか。いくつかの例を紹介します。

コミュニケーション能力を高める
平常時においては、メンバー一人ひとりがそれぞれの強みや特性を活かして、自らの判断で力を発揮していくことが大切です。しかし、会社の経営や事業を揺るがすようなトラブルが起きた有事(緊急時)では、リーダーが責任と覚悟をもって、チームを引っ張っていくことが求められます。

そのために、普段からメンバーとのコミュニケーションが欠かせません。常日頃から、自分の考えを伝えることはもちろん、相手の意志や意見にも耳を傾け、いついかなる時でも、一つの目標に向かって組織が動ける体制をつくっておきましょう。

自らで意思決定をおこなう
リーダーシップを発揮するためには、迅速な意思決定が常に求められます。自らの「意思決定」方法として、次の3つが挙げられます。

1.課題の解決策をいくつか考え、メリット・デメリットで整理して、最善策を選ぶ
自分の業務における課題を見つけ、それを解決するための施策をいくつか考えてみましょう。そして、それらの施策をメリット・デメリットで整理して、最善策を迅速に見出せるように習慣化します。

2.新たな考え方を身に付けて、柔軟に判断をできるようにする
古い慣習や考え方に捉われていると、間違った意思決定をしてしまう可能性があります。さまざまな業界や世代の人たちと交流し、新しい考え方を身に付けて、柔軟に判断ができるようになることが重要です。

3.意思決定したことを振り返り、ブレない軸を磨く
意思決定をおこなったら、必ずその結果がどうだったのか、チェックをするようにしましょう。自ら意思決定した施策が正しかったどうかを振り返らなくては、自分の意思決定の軸も磨けません。この振り返り(フィードバック)を必ずおこなうことで、ブレない意思決定の軸が磨けます。

セミナーへ参加したり、社内の勉強会を開催する
目まぐるしく変化する予測困難な時代に突入しました。それゆえ、つねにアンテナを張り巡らせて、最新のフレームワークや知識などの情報収集をおこなう必要があります。新たなリーダーシップに関わる理論はもちろん、幅広い知識を身に付けておくことは、リーダーとしての決断や、メンバーへの教育などにも活かせます。社外のセミナーへ参加して積極的に新たな知識をインプットするのもいいですし、自ら学んだことを社内の勉強会を開いて教えたりすることで、さらなる理解も深まります。

発想を磨く
リーダーは、組織で目標を達成するために、可視化した目標を何のために達成するのか、しっかりとしたビジョンを持ち、それを語り、みんながその目標を目指して取り組めるようにすることが求められます。物事を複数の異なる視点や角度から観察し、アイデアや考え方を提示できるように習慣化することで発想力が磨かれます。目の前の課題にどう取り組めばいいのか、考えに煮詰まっているメンバーに対しては、異なる視点でアイデアや考え方を提示することで、気づきを与えられるので、組織全体の活性化にもつながるはずです。

まとめ

組織を引っ張っていく立場の人には、リーダーシップが求められます。ここでは、マネジメントとリーダーシップの違い、リーダーシップの種類・目的、リーダーシップスタイルや能力などについて解説しました。

リーダーシップは、目的を明確にすることによって、どういう場面でどのように行使すべきか理解しやすくなります。また、組織によって求められるリーダーシップ力は異なります。リーダーシップには、さまざまな種類がありますから、自分の組織にとってより良いスタイルを選んでいくと良いでしょう。

 


《ライタープロフィール》
鈴木にこ/ライター
求人メディアの編集者を経て、フリーランスとして活動中。派遣・新卒・転職メディアの編集協力、ビジネス・ライフスタイル関連の書籍や記事のライティングをおこなう。

《編集》
西谷 忠和
新卒・中途採用、進学などのメディアにて広告制作ディレクターを経験後、2007年に独立。現在は、フリーのライターとして採用サイト、求人メディアの広告、採用のオウンドメディア、人材サービス企業のインナーコミュニケーションなどのコンテンツ制作に携わっています。またライフワークとして、20~50代のビジネスパーソンやフリーランスのキャリア支援を行うキャリアコンサルタントとしても活動中。