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RPO(採用代行)の特徴とメリット・デメリットをご紹介

RPO(採用代行)の特徴とメリット・デメリットをご紹介

「採用活動がうまくいかない」「いい人材が採れない」「他の業務に追われ採用まで手が回らない」など、採用活動に課題を感じていませんか? そんなときに活用したいのが、人材採用のプロの力を借りることができるサービス「RPO(採用代行)」です。採用活動を委託することで、業務を効率化し、より良い人材を採用することができます。本記事では、採用代行の特徴、メリット・デメリット、人材派遣との違いなどを紹介します。

RPO(採用代行)とは?

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RPO(Recruitment Process Outsourcing)とは、採用活動にまつわる業務を代行するサービスです。人材採用がうまくいかない。人事部門の人手が足りない、人事業務を効率化したいなど、企業の採用活動における課題を解決するため、人材採用のプロに採用活動の一部またはすべてを委託することができます。法人の採用代行サービスに限らず、フリーランスの採用代行者も増えており、採用活動のさまざまな場面で活用されています。

採用代行が注目される背景


日本は少子高齢化が止まらず、人口減少時代を迎えています。新卒採用では売り手市場が何年も続き、人材獲得競争は激しくなる一方です。また、あらゆる業界で人手不足が叫ばれ、採用手法も多様化しています。

近年は求人広告による人材募集のみならず、人材を求める企業に対して求職者を紹介する「人材エージェント」の活用、自社の社員に人材を紹介してもらう「リファラル採用」、候補者へ直接アプローチして採用活動をおこなう「ダイレクトリクルーティング」など、多角的な採用戦略が必要となっています。

人材獲得の重要性が増す一方で、人事部門でも慢性的な人手不足が起こっています。人事は採用活動以外にもさまざまな業務があるため、十分な採用活動ができず、優秀人材の確保に苦戦している企業が少なくありません。人事業務の効率化と採用力の強化のため、採用活動のアウトソーシング化に注目が集まっています。

採用代行は違法行為?


採用代行はニーズが高まる一方で、「委託募集にならないか」「違法ではないか」といった不安の声も聞かれます。職業安定法では、委託募集について次のように規定しています。
委託募集
労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けねばならない。
(職業安定法 第36条第1項)

委託募集とは、労働者の募集を第三者(自社従業員以外)に委託すること。採用代行を活用するのであれば、厚生労働大臣か、就業地を管轄する都道府県労働局長から許可を取得する必要があります。

上記の通り、認可を得たうえで、職業安定法で認められている人材紹介の免許を持った正規の採用代行者へ依頼するのであれば、違法ではありません。

ただし、それ以外の事業者を利用した場合は、職業安定法による罰則対象となる場合があります。採用代行を利用する場合は、正しく認可を受けた採用代行者に委託することが重要です。

採用代行できる業務とは?

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では、採用代行に委託できるのは、具体的にはどんな業務なのでしょうか。採用代行は、以下のすべて、または一部を委託することができます。

母集団形成に関わる業務


採用活動で必要なのは、母集団(ぼしゅうだん)の形成です。母集団とは、採用候補者となり得る人材全体のこと。優秀な人材を採用するためには、まずは自社に興味を持つ人材を大量に集めることが重要になります。採用代行は、求人募集の内容をはじめ、条件の策定、求人媒体の選考や出稿、会社説明会の企画・実施、会場手配、求人広告の管理など、母集団形成に関わる業務を人材採用のプロに一任することができます。

応募者の選定


「忙しくて応募書類に目を通す時間がない」「厳密に選んでいる余裕がない」といった悩みを抱えている採用担当者も多いでしょう。採用代行は、エントリーシートのチェックや筆記試験・適性テストの実施、結果の管理、面接スケジュールの調整、面接代行、合否追知など、応募者の選定に関わる業務を委託できます。

内定者への対応


採用後に内定を辞退する応募者が多いことも、人事にとって頭の痛い問題です。採用代行は、採用の決め手となる内定者に対するフォローや連絡、個別面談、研修の企画・実施などの業務も委託することができます。

採用に関わる専門知識のサポート


自社で採用活動をおこないたくても、採用担当者や面接官に専門的な知識やスキルがないケースがあります。採用代行は、採用計画の作成・指導、面接官のトレーニング、採用活動の課題やコスト分析、採用管理システムの導入サポート、リクルーターの派遣など、採用に関わる専門知識のサポート全般を委託できます。

入社した人材へのフォロー


新卒社員は、入社3年以内に3割が離職するといわれています。厚生労働省の発表によると、令和2年度における就職後3年以内の離職率も、新規高卒就職者が36.9%、新規大卒就職者が31.2%でした。採用代行は、社員の離職を防止するための状況確認、定期的なアンケート、採用担当者へのフィードバック、新入社員研修やビジネススキル研修などの企画・実施など、入社した人材のフォロー全般を委託することができます。

《関連サイト》
採用業務や人材募集でお困りの際は、スタッフサービスにご相談ください!

採用代行のメリット

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採用代行を活用することによって、さまざまなメリットがあります。代表的な5つの例を見てみましょう。

採用業務のコア業務に集中できる


採用業務におけるコア業務とは、説明会・面接・採用選考など、応募者と直に接して採用に直結させる活動のことをいいます。一方、求人媒体の選考や出稿、求人広告の管理、説明会場の手配、筆記試験や適性テストの実施、面接スケジュールの調整などはノンコア業務にあたり、必ずしも自社のリソースを割く必要はありません。採用代行にノンコア業務を委託することで、採用担当者はコア業務に集中することができます。

質の高い人材募集をおこなえる


採用代行は、人材採用のプロです。採用活動に関わる専門知識のサポートを依頼することで、人材採用のノウハウを獲得でき、面接官のスキルアップや採用管理システムの導入などがしやすくなります。採用活動の質を上げることで、優秀人材の採用が期待できます。

社内の業務負荷を軽減できる


人事セクションの業務は、採用活動だけに限りません。採用以外にも、配置、異動、評価、人材育成、キャリア開発、人事制度策定・運用、労務管理、社会保険、福利厚生など、さまざまなミッションがあります。採用業務の負担を軽減することによって、より重要度の高い業務に時間と労力を割くことができます。

スピーディに採用活動をおこなえる


売り手市場が続く新卒採用では、スピーディかつ丁寧な対応が重要となります。膨大な人事業務を抱えながら採用活動もすべて自社でおこなおうとすると、応募者への対応が遅れる、丁寧さが損なわれるなどのリスクがあります。採用代行に委託することで、優秀人材の獲得や内定辞退の防止などがしやすくなります。

あらかじめ予算を伝えることでコストの削減ができる


採用活動は、業務負荷が高く、時間外労働が発生しがちです。予算の範囲内で採用代行に委託すれば、採用活動のコストを削減することができます。また、社内で採用活動をすべておこなう場合、十分な人員数が必要となるため、固定人件費が高くなる場合があります。採用代行は、委託費用はかかりますが、必要なときのみに委託することで、変動費に変えることができます。固定人件費を抑えることで、利益が出やすくなります。

採用代行の注意点

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採用代行で注意すべき点を紹介します。代表的な3つの例を見てみましょう。

採用業務のノウハウが自社に蓄積されない


採用代行に依頼すると、効率良くスピーディで質の高い人材採用が期待できます。しかし採用活動の過程を委託することによって、採用業務のノウハウが自社に蓄積されない難点があります。そのため、採用代行を活用できなくなった場合に、自社だけでは採用活動ができなくなってしまうリスクが発生します。

そうした事態を避けるには、「ノンコア業務のみを委託しコア業務は自社でおこなう」「採用活動のサポートだけを委託」「採用代行への委託を通じてプロのスキルやノウハウを吸収する」といった方法があります。

採用代行に委託する場合でも、単に「丸投げ」せず、適宜コミュニケーションをとることが必要です。採用の過程や結果を把握し、学ぶ姿勢を持つことで、採用業務のノウハウを自社に蓄積することが可能になります。

予算を明確にしないとコストが膨らむ場合がある


採用代行は、予算を事前に明確にしておかないと、コストが膨らむケースがあります。採用代行は、「月額一括料金型」と「従量課金型」の主に2種類の料金形態があります。以下を参考に、料金形態や業務別の費用を把握し、想定外のコストがかからないよう注意しましょう。

・月額一括料金型
毎月決まった金額を支払う方法です。委託する業務数によって報酬が決まる場合や、あらかじめ月額料金が固定されている場合があります。

・従量課金型
委託する業務内容、業務量、委託期間に応じて費用・料金を算出する方法です。企業によって採用方法や必要な業務が異なるので、事前に打ち合わせをして見積もりを取るのが一般的でしょう。

・業務別の費用
業務ごとの委託費用は、委託先によって大きく異なります。次のような金額をひとつの目安にしましょう。
求人媒体の選定・管理 50,000円~700,000円/月
面接日の調整 50,000円~/月
面接の代行 300,000円~/1回
応募者とのやりとり 50,000円~/月
合否連絡 20,000円~/月

・エージェントの活用
また、人材エージェントを活用した場合、人材獲得の費用は「年収×35%」が相場といわれています。多くの人材を獲得できても、それに伴い、成功報酬の金額も高額になる場合があります。

従量課金型や人材エージェントの活用は、事前に予算を明確にしておかないとコストが予想外に膨らむ可能性があります。採用代行者は、具体的な料金を明示していない場合もあります。あらかじめ複数の会社から見積もりを取って比較するなど、予算の範囲内にコストを抑えるリスクヘッジが必要です。

 

入社した人材と定着率に影響する


入社した人材の定着率を高めるには、採用担当者とのコミュニケーションが不可欠です。採用代行に委託した場合、応募者や内定者と社内の人間が関わる機会が少なくなるため、定着率に影響する場合があります。

採用担当者が代行業者だった場合、応募者や内定者は社内に知っている人がいなくなります。不安を感じたり、悩みがあっても社内に相談できる人が少ないため、それが早期離職につながるケースも少なくありません。

採用代行に業務を委託する場合であっても、自社の採用担当者も、応募者や内定者との接点を持っておくことが重要です。説明会や面接は自社でおこなう、内定者のフォローを欠かさないなど、入社した人材との交流を深めるアプローチは失わないよう注意しましょう。

業務委託と人材派遣との違い

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採用代行は、いわゆる「業務委託」にあたります。社外のリソースを活用する手段としては「人材派遣」という方法もありますが、契約の目的、業務の指揮命令権、費用支払いなど、さまざまな点で異なります。業務委託と人材派遣、それぞれの違いを認識し、適切に活用しましょう。

業務委託


業務委託とは、自社で人材を直接採用するのではなく、社内でおこなわれている業務や機能の一部、あるいは全部を、外部の専門会社に委託することをいいます。契約の種類は多岐にわたりますが、自社の社員が業務遂行するよりも、コストダウンやコア事業にリソースの集中をすることができます。

業務委託の目的は、仕事の完成=成果物を提供すること。依頼した企業は、完成まで直接仕事の指示をすることはできません(報告や進捗確認など仕事の指示以外はおこなえます)。

業務委託をすることで、依頼した企業はコスト削減やコア事業へ専念することができます。必要なときに必要な分だけ設備と人員を活用するため、自社社員が業務遂行するのに対してコストダウンにつながります。

人材派遣


人材派遣とは、派遣会社と雇用契約を結んだ派遣スタッフが、派遣先企業の指示を受けながら就業する間接雇用の就業形態です。業務委託と人材派遣の大きな違いは、指揮命令権の所在と契約の目的です。

業務委託は、委託された請負業者に指揮命令権がありますが、人材派遣の場合は派遣先企業にあります。

契約の目的は、業務委託は成果物を提供することですが、人材派遣は契約範囲内で派遣先企業への労働力を提供することです。 人材派遣は、費用も労働時間に対しての支払いになります。

人事業務に外部のリソースを活用する場合、人材募集・応募受付・選考補助などの人事採用関係、給与支給額計算・明細書作成・年末調整などの給与計算関係、社会保険や雇用・労働保険に関する各種手続きなど、業務の種類によって人材派遣と業務委託を使い分けるのもひとつの方法です。

《関連サイト》
スタッフサービスの人材派遣とは?

まとめ


RPO(採用代行)は、採用活動のコア業務への専念やコスト削減が可能になるサービスです。人手不足や人事業務の増加などによって、採用代行への注目は高まっています。採用代行を活用することで、優秀人材の獲得や人事業務の効率化など、さまざまなメリットが期待できます。

一方で、採用のノウハウが自社に蓄積されない、予算を明確にしないとコストが膨らむ、入社した人材と定着率に影響するといったデメリットが発生する場合もあります。自社に合っているかサービスかどうかを検討されたうえでのご利用をおすすめします。


《ライタープロフィール》
ライター:鈴木にこ
求人メディアの編集者を経て、フリーランスとして活動中。派遣・新卒・転職メディアの編集協力、ビジネス・ライフスタイル関連の書籍や記事のライティングをおこなう。