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やってみて良かった!約8割がテレワーク賛成派。テレワークで感じたメリット・デメリットとは?

やってみて良かった!約8割がテレワーク賛成派。テレワークで感じたメリット・デメリットとは?

2020年4月以降、新型コロナウイルス対策としてテレワークで働く人が急増しています。そこで、新型コロナウイルスの影響でテレワークをおこなうようになった400人を対象に、アンケート調査を実施したところ、テレワークに切り替えてみて良かったと回答した人が、78.8%にも上りました。テレワークを経験して、どのような点でメリットやデメリットを感じたか、詳しく紹介します。

「テレワーク」とは

テレワークとは、「tele=離れた場所」、「work=働く」という意味の単語を合わせた造語です。情報通信機器を活用して、時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働くことができる勤務形態で、リモートワーク、在宅勤務といった言い方もされています。

テレワークをおこなう人をテレワーカーと呼び、国土交通省の定義では「1週間に8時間以上、職場以外でICT(情報通信技術)を使って仕事をする人」となっています。

参考
テレワークとは|厚生労働省
https://work-holiday.mhlw.go.jp/telework/

約8割がテレワークに切り替えて「良かった」と回答

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今回、新型コロナの影響でテレワークをおこなっている事務職(正社員・派遣スタッフ)の人を対象に調査をしたところ、新型コロナ感染拡大以前からテレワークを希望していた人は37.3%で、希望していなかった人は62.8%でした。
ところが、実際にテレワークに切り替えてみて良かったと回答した人は(「どちらかといえば良かった」も含め)、78.8%にも達しました。では、どのような点が良かったのか、次にテレワークについて感じたメリットについて紹介します。

テレワークのメリットは「通勤時間を有効活用できる」(79.0%)

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テレワークで感じたメリットについては、「通勤時間を有効活用できる」(79.0%)が最も多い結果となりました。「混んでいる電車に乗らないので、ストレスがなくなる」(女性/28歳)、「往復2時間の通勤時間が短縮できるので、自分の時間が増えた」(男性/43歳)など、朝夕のラッシュに巻き込まれなくていいこと、通勤時間を他のことに有効に使えるといった点でメリットを感じている人が多いようです。

2位は「ストレスが軽減される」(37.5%)でした。「満員電車のストレスがない」(女性/30歳)、「対人ストレスがなくなる」(男性/30歳)など、通勤や人間関係のストレスが減ることにメリットを感じている人が多くいるようです。

3位は「無駄な会議が減った」(35.0%)で、「可能なら出席してほしいという会議がなくなった」(男性/46歳)、「特に必要のない会議が多かったことに気づいた」(女性/46歳)などの回答もありました。

このほか、「家事を両立しやすい」(30.3%)、「家族といられる時間が増える」(29.0%)など、家庭・家族に関係するメリットをあげる人も多くいました。

自由回答

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時間の有効活用に関すること
□ 在宅であれば通勤時間を料理やトレーニングにあてることができる(女性/30歳)
□ 通勤時間を睡眠時間にできる(男性/42歳)
□ 朝バタバタせずに朝食をしっかり食べたりニュースを見たりできる(女性/34歳)
□ 終業後すぐに自分の時間になる(女性/29歳)
□ 化粧などの時間もなくなり朝ゆっくりできる(女性/33歳)

ストレス軽減に関すること
□ 通勤ラッシュがない(女性/44歳)
□ 感染の不安や、職場の人が咳エチケットを守らないことにイライラしない(女性/42歳)
□ 会社の人間関係のストレスがない(女性/36歳)
□ 同僚の言動にイライラすることがなくなった(女性/33歳)
□ 無駄な会話や空気を読むことが不要なのでストレスが軽減された(女性/38歳)
□ 対面による人的ストレスはなくなっていると思う(女性/32歳)

無駄な会議に関すること
□ 定例会議がなくなり、本当に必要な会議だけになった。オンライン会議も時短に役立つ(女性/52歳)
□ 生産性がない、解決できない会議がなくなったこと(女性/24歳)
□ 無駄な仕事も減った(女性/28歳)
□ 無駄だと思っていた会議時間が減って、その分を仕事時間にまわせるようになった(女性/27歳)
□ 会議の回数も会議中の無駄な発言も減った(女性/31歳

家事の両立に関すること
□ 通勤時間を削減した分、家事がはかどるようになった(女性/27歳)
□ いつもは帰宅後の夜遅くに洗濯をしていたが、今は少しの合間でできるので嬉しい(女性/32歳)
□ 休憩時間に家事をできる(女性/36歳)
□ ご飯作りなど、今まで時間をかけられなかったことにかけられるようになった(女性/44歳)
□ 移動時間で使う体力の分だけ、夕飯を作る気力が残り、普段に比べて夕食の質が上がった(女性/31歳)

テレワークのデメリット上位は、「運動不足」「コミュニケーション」「書類のやり取り」

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逆に、テレワークで感じたデメリットの1位は、「運動不足になる」(46.8%)でした。ほとんどの人が、「通勤の運動がなくなった」(男性/45歳)「家から出ないので太る」(男性/33歳)「歩数が少なく、意識的に動かなければ運動不足になる」(女性/26歳)など、テレワークで通勤しなくなったこと、不要不急の外出を控えたことにより運動不足になっていることを理由にあげていました。

2位は、「社内コミュニケーションが減った」(45.3%)で、テレワークによって一人で作業をするようになったことから「話したい時に必要な人と話すのが難しい」(男性/36歳)といった回答もありました。また、「ZoomやLINEでコミュニケーションを取ってはいるものの、会話する時間が減った」(女性/30歳)など、通話ツールを利用していても、コミュニケーションが減っていることにデメリットに感じている人もいました。

3位は、「紙の書類のやり取りができない」(40.8%)で、「契約書のハンコが必要」(男性/44歳)「家にプリンターがないので印刷できない」(女性/32歳)「電子ワークフローが整備されていない」(男性/51歳)などの回答がありました。紙でしか処理ができない書類があること、そして、テレワークでは整いにくい環境(プリンターやスキャナー)に対し、デメリットを感じているようです。

このほか、「勤務時間の線引きが難しい」(29.0%)、「仕事のオンオフがしにくい」(26.8%)、「集中して仕事ができない」(24.5%)といった、仕事とプライベートの切り替えの難しさをデメリットにあげている回答もありました。

また、「業務効率が悪い」(22.3%)、「ハンコの苦労があった」(20.0%)といった、テレワークへの移行がうまくできていないケース、「通信光熱費が増えた」(22.5%)、「作業スペースがない」(16.0%)、「リモートワーク・テレワークの運用が整っていない」(13.0%)など、環境面が整っていないケースもありました。

自由回答

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社内コミュニケーションに関すること
□ ちょっとした雑談や愚痴を聞いてくれる相手が横にいなくて寂しい(女性/27歳)
□ 無駄話でストレス発散できない(女性/40歳)
□ 会議での議論が難しい(男性/55歳)
□ 相手が今何をしてるのかが見えないから、進捗をわざわざ聞かないといけない(女性/29歳)
□ 部下に業務を振り分けて目で見て進捗を確認していたが、それができない。また部下の仕事量が、適切か見極めるのが難しい(男性/59歳)

仕事のオンオフに関するもの
□ テレビを見てしまう(女性/46歳)
□ 周りに誰もおらずついついスマホをいじったりしてしまう(女性/31歳)
□ 子供の勉強を見たりして、手が止まる(女性/42歳)
□ 集中できるから休憩を忘れる(男性/59歳)
□ 自宅にPCがあるせいか夜遅くにメール・Slackが入った際対応してしまう(女性/31歳)

環境面でデメリットとしてあげられるもの
□ 押印が必要な書類などがテレワーク期間中対応できない(女性/31歳)
□ 家庭用プリンターでは、A4しか出力できない(男性/51歳)
□ 結局、会社のサーバーにアクセスしないと仕事にならない(男性/26歳)
□ 会社ほどスピードが出ず、電波の不具合時にはルーターを再起動させるなど不便(女性/47歳)
□ ローテーブル、座椅子で仕事をしているため、姿勢が悪く腰痛が発生した(女性/26歳)

運動不足に関すること
□ 動かないので体重が増えた(女性/37歳)
□ ほとんど歩かなくなるので、腰が痛くなる(男性/37歳)
□ 歩いたり移動したりする機会が減る、狭いスペースでの作業なので体が固まる(女性/47歳)
□ 社内を歩くだけでも運動になっていたことに気づいた(女性/42歳)
□ 必要な買い物以外は外に出ないので、ストレッチはするが運動不足を感じている(女性/32歳)

「今後もテレワークを続けたい」という声も

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緊急事態宣言が徐々に解除され、テレワークから出社する勤務形態に戻ることが予想されますが、「今後ともテレワークを続けたいか」については、「毎日とは言わないが、週に数回はしたい。自分の時間が増えるので」(男性/37歳)など、多くの人から「続けたい」といった回答が寄せられました。一方で、「メリハリつけにくいからやりたくない」(男性/35歳)、「運動不足になってコミュニケーション不足にもなるから続けたいと思わない」(女性/27歳)といった回答もありました。

自由回答
□ 通勤ストレスがなくなったため今回を機にテレワークする回数を増やしたい(女性/30歳)
□ 通勤時間の節約ができ、家族といる時間も増えるので、テレワークを続けたい(男性/33歳)
□ 通信環境、プリンター、スキャナーを用意してくれればテレワークでも良い(男性/58歳)
□ テレワークにより時間を有効に使える一方、社内でのコミュニケーションはまったく取れないので、週の半分くらいで今後もテレワークをやるのが理想(男性/28歳)
□ 気分転換もなくひたすら手が止まるので効率が悪く、テレワークしたいとは思わない(女性/42歳)
□ テレワークは細かい指示が出せず効率が悪いように感じるので、活用したくない(男性/53歳)

今後の「テレワーク」の課題と新しい生活様式

新型コロナウイルスの影響で、働き方改革の切り札であった「テレワーク」が、一気に推進・拡大されました。「実際にテレワークをやってみて良かった」という人が多くを占め、新しい生活様式を意識しはじめていることもうかがえることから、今後の働き方に大きな影響を与えそうです。また、テレワークを実施して浮かび上がったデメリットをどのように解決していくか、企業側の制度改革や、働く側の環境整備などを整えることも求められそうです。

参考
『テレワークではじめる働き方改革』(厚生労働省)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category7/01_01.pdf