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「職場への妊娠報告」報告する時期や伝え方のポイントを解説

「職場への妊娠報告」報告する時期や伝え方のポイントを解説

妊娠をした場合、安定期に入ってから報告すべきか、体調不良の可能性があるから早く報告しておくべきかという報告のタイミングや、そもそもどう伝えればいいのかわからないと悩む人もいらっしゃるでしょう。

そこでこの記事では、職場に妊娠報告をする場合の時期や伝え方、このタイミングで知っておきたい産休制度の詳細を紹介します。必要な知識を備えておき、安心して妊娠期間を過ごせるようにしてみてはいかがでしょうか。

妊娠報告のタイミングについて

「職場への妊娠報告」報告する時期や伝え方のポイントを解説_1

妊娠は人によって体調などがまったく違うため、妊娠報告はいつが最適なのかは本人にしかわからない部分も多いです。多くの人がどうしているかを参考に、計画を立ててみてはいかがでしょうか。

約8割近くが安定期より前に報告

スタッフサービスが行ったアンケートでは、なんと約8割近くの人が安定期に入る前に職場へ報告をしているという結果が出ています。一般的には安定期(妊娠16週以降)に入ってからが良いといわれていますが、安定期に入るまでにつわりがひどく、連日休みを取らなければならないほどの体調不良になる方も多くいます。

そのほか、仕事内容が母体に影響を及ぼすような力仕事や立ち仕事、危険を伴う製品の取り扱いがある仕事など、妊娠がわかった時点で避けるべき仕事があれば職場へ伝える必要があります。その場合は、安定期などを待たずに早めの報告をされる方が良いでしょう。

また、そうでない仕事に就いている人でも妊娠による体調不良で周囲に仕事のカバーをしてもらう可能性、人事のタイミングなどを考えて早めに報告しておく人が多いと考えられます。

参考:スタッフサービスのアンケート
https://www.staffservice.co.jp/cheer/help/sankyu.html

産休、育休制度について

妊娠した際に知っておきたいのが、産休・育休制度についてです。

産休制度の概要

まず、産休制度の概要からご説明します。

● 対象労働者
産休の対象となるのは、雇用保険に加入しているすべての労働者です。出産は心身ともに負担が大きくかかる出来事であるため、雇用保険に加入している労働者はすべてが対象となります。

ただし、その後の育児休業制度となると、すべての労働者が対象ではありません。
産休の対象者や期間などを育休と混同してしまう可能性もあるため、産休制度と育休制度はどう違うのか、この機会に確認しておきましょう。

育休の場合、下記条件に当てはまる場合は育児休業を取得可能です。

1. 子供が1歳6か月になる誕生日以降も引き続き雇用が見込まれる
2.(2歳までの育児休業の延長を申し出る場合)子供の2歳の誕生日前々日までに労働契約期間が満了、かつ契約更新がないことが明らかではない

参考:厚生労働省 有期雇用労働者の育児休業や介護休業について

上記を要件を満たしていても、下記の要件に該当する場合は、育休取得ができないと決まっています(対象外とする労使協定がある場合のみ)。

1. 週の所定労働日数が2日以下
2. 日々雇用される方

無条件で育休を取れるわけではありませんので、自分が対象になっているかよく確認しておきましょう。

● 産休期間
産休の期間は産前と産後に分かれており、産前は出産前の6週間(双子以上の場合は14週間前)から、申請すれば取得できます。産後に関しては、出産の翌日から8週間は事業主側が労働者を働かせることはできません。しかし、産後6週間を過ぎて本人が申請し、医師が許可した業務であれば就業は可能となっていす。

それ以降の休みについては育児休業の範囲となるため、育児休業の取得が可能な人のみ対象となる点に注意しましょう。

雇用形態別の産休制度について

産休制度は、有期雇用者(パート・派遣・契約社員など、期間の定めのある労働者)も、正社員もすべての労働者が対象となるため、雇用形態別の変化はありません。

育休については、雇用形態別に異なります。日々雇用される方、週の所定労働日数が2日以下の方、1年以内(1歳6か月までの育児休業の場合は、6か月)に雇用関係が終了する人は対象となりません。

妊娠報告のポイント

「職場への妊娠報告」報告する時期や伝え方のポイントを解説_3

報告する内容の事前準備

妊娠報告をする際には、報告する内容の事前準備を行いましょう。現在の症状、退職/復職の意向、産休期間などまとめて伝えられるように準備しておくことが重要です。

● 症状の報告
妊娠報告をする際には、これからどれくらい休む可能性があるかを知らせるためにも、現在の症状をお伝えしておきましょう。

現在の症状としてどんな変化が起きているのか、医師に聞いたリスクなどをわかる範囲で伝えておきましょう。また、お腹の張り、高血圧、貧血、妊娠糖尿病などの問題が起きており、医師から生活面の注意を受けている場合などは、その旨を職場にも伝えておくと、働き方を配慮してもらえる可能性が高いです。

● 退職/復職の意向
妊娠したタイミングで退職・復職の意向が決まっているようであれば、要望は伝えておきましょう。まだ復職する意向がしっかり定まっていなくても、すぐにでも退職したいという意向でなければ、そのまま復職する方向性で考えておくことをおすすめします。

なぜなら、育児と転職活動と並行するのは簡単ではなく、復職した後に転職をする方が負担なく過ごせる可能性が高いためです。

また、雇用されている期間が1年未満である場合は育休を取得できません。もし復職が難しい場合は退職する方が良いというケースもあるため、妊娠報告をする前に自分の要望を決めておきましょう。

● 産休期間
有給があるようであれば、有給と合わせてもう少し早めから休ませてくれるよう配慮してくれるケースもあります。自分の希望と体調面含めて、相談してみると良いでしょう。

反対にできるだけ早く復職したい場合は、医師から許可が出た場合のみ産後翌日から起算して6週間後には復帰できます。

また、産休期間について双子以上を妊娠している場合、産休の期間が異なりますので注意ください。双子以上を妊娠している場合は、14週間前から休めます。

● 報告の伝え方
まずは、報告する相手を選びましょう。まずは上司に伝えるのが一般的です。その際、同僚にはいつ妊娠報告をすべきか、上司に相談しておくといいでしょう。

なぜなら安定期に入る前に周囲に対して報告をすると仮に初期流産があった場合、周囲に気を遣わせる可能性がありますし、反対に妊娠を伝えないまま体調不良で休みが続くような状況になると周囲が不審に思う可能性もあるためです。

妊娠報告の際に上司に対し、「欠勤が多いようであれば周囲に対して早めに妊娠報告をするなどご判断をいただければ」と伝えておくと良いでしょう。

報告の伝え方については口頭/メールがありますが、口頭がおすすめです。産休・育休を取る場合、新たな人を採用する、組織間で人材の異動を行うなどの調整をしなければなりません。非常に重要な報告となりますので、メールでの報告は失礼と感じられる可能性もあります。まずは口頭で報告するよう心がけましょう。

● 報告例
「ご報告したいことがあるのですが、お時間いただけますでしょうか」と伝え、「お時間ありがとうございます。実は現在妊娠◯カ月でして、出産予定日は◯月◯日です。規定通り6週間前の◯月◯日から産休をいただければと思っております。(育休取得がある場合は、その期間についても報告しておきましょう)

現在は母子共に健康で特段休む予定はありませんが、急な体調不良等でお休みをいただくこともあるかもしれません。休業期間が終わり次第、規定通りに復職できればと思っています。ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、どうぞ宜しくお願いいたします。」

上記のように妊娠報告をすると、上司の方も安心するでしょう。

派遣社員の場合

派遣社員の方の場合、最初に報告する相手は雇用元である派遣会社です。派遣先企業(就業先)に急に報告をすると、無用な混乱を招きますので注意しましょう。

企業側の対応方法

妊娠報告を受けた企業側は、下記のように対応することが重要です。

報告内容に寄り添った対応策の検討

企業としてすぐに対応できるかどうかわからなくても、報告された内容についてできるだけ寄り添う対応をしましょう。

時間外労働や深夜業務の制限などは、申請をすれば利用できます。必要に応じて申請を行えるようにアナウンスをしてください。

国が規定している制度の対応

国が規定している制度の対応についても、しっかり健康診査(妊娠中の産婦人科での健診)を規定の数受けられるように対応する必要があります。通院頻度も妊娠の初期・中期・後期で変わってきますので、下記を参照し現場でも守られるように注意しましょう。

○ 妊娠中
妊娠23週までは4週間に1回
妊娠24週から35週までは2週間に1回
妊娠36週以後出産までは1週間に1回

○ 産後(出産後1年以内)
医師等の指示に従って必要な時間を確保する

引用:厚生労働省「男女雇用機会均等法」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/seisaku05/01.html
 

妊娠報告をする際の注意点

妊娠報告をする際、従業員側と企業側それぞれが注意すべき点を紹介します。

従業員側

まず、妊娠した従業員側は余裕を持った準備が必要です。もちろん体調の変化が読めないためいつ報告をすればいいのかわからない、妊娠がわかった段階ですでにつわりがひどく、とても通勤できないという状況になっていることもあるかもしれません。

しかし、わかった段階でこれから体調不良で迷惑をかける可能性や、今後新たな人を雇う企業側の準備などもあるため、できるだけ余裕をもって報告をするように心がけましょう。

そして、妊娠はとても喜ばしいことではありますが、他の方に仕事をカバーしてもらうシーンが多くなることを考えると、「ご迷惑をおかけします」というスタンスで、丁寧な対応を意識しておくことをおすすめします。

企業側

企業側の注意点としては、職場への理解推進とハラスメント対策の実施です。たとえ経産婦であっても、完璧に同じ状態の方はいません。

そのため、当事者の気持ちを皆が完璧に理解できないことを前提として、どういったことを理解してもらう必要があるのかを考えておきましょう。また、どういった業務フロー、情報共有ルールに変更すれば他の社員に負担がかかりにくくなるかなども並行して考える必要があります。そして、誰かがフルタイムで勤務できなくなったとしても対応できる状態にしておくかはとても重要です。

さらに、現場ではいわゆるハラスメントが起こっていないかをチェックし、不適切な発言が出ないように研修を行うなど、人に応じて定期的に注意していくことがハラスメント防止には欠かせない対策です。

まとめ

妊娠報告は安定期の16週に入るまで伝えない方が良いと言われるケースもありますが、つわりの状況や勤務内容によっては、体調の変化があってすぐに報告するなど臨機応変な対応が必要です。

妊娠が判明してからは諸々忙しくなりますが、報告する前に休業期間の要望についてなどの意向をまとめておくと、上司とのやりとりもスムーズです。心配なこともあるかもしれませんが、赤ちゃんを元気に迎えるためにも、報告に伴ってぜひ普段の生活をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

 


ライタープロフィール
高下真美 

新卒で人材派遣、人材紹介企業に入社し、人事・総務・営業・コーディネーターに従事。その後株式会社リクルートジョブズ(現・株式会社リクルート)に転職し、営業として8年勤務後、HR系ライターとしてフリーランスへ転身。現在は派遣・人材紹介・人事系メディアでの執筆、企業の採用ホームページの取材・執筆の他、企業の人事・営業コンサルタントとして活動中。

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