派遣スタッフは産休・育休は取れるの? 取得条件や手続きなどを詳しく解説

派遣スタッフは産休・育休は取れるの? 取得条件や手続きなどを詳しく解説

「出産後も働きたい。子育てもじっくり楽しみたい」と考えている人にとって、産休や育休を取得できるかどうかは、切実な問題です。本記事では、派遣スタッフが産休・育休を取得できるのかについて解説。また、取得のために必要な条件や手続きのポイント、職場に復帰するまでの流れを紹介します。

派遣スタッフは産休・育休が取得できる?

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2010年からスタートした、両親が同時に育休を取得できる「パパ・ママ育休プラス」制度などをはじめ、より産休・育休を利用しやすくするための取り組みが進められています。そうした取り組みにより、産休・育休の取得は当たり前となった昨今ですが、正社員だけでなく派遣スタッフも制度を十分に利用することはできるのでしょうか。

派遣スタッフも産休・育休の取得は可能

一定の条件を満たしていれば、派遣スタッフも産休・育休の取得は可能です。産休は女性だけが取得できる制度ですが、育休は男女を問わず取得することができます。

2005年の育児・介護休業法改正によって、派遣スタッフをはじめ雇用期間の定めのある方でも、この制度の対象となり、2017年1月1日に新たな改正・施行がおこなわれ、さらに条件が緩和されました。これにより現在では、産休・育休の取得は法令にある労働者の権利のひとつとして、正社員、契約社員、派遣など雇用形態にかかわらず取得することができる休暇となっています。

また、女性が産休を取得している期間とその前後30日間に解雇することは労働基準法で禁止されています。そのため、「出産や育児のために休みを取ると、職場に復帰ができなくなるのでは…」という不安も解消されています。派遣スタッフであっても、産休の申請・取得を理由に解雇されることはありません。

産休・育休の期間

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産休は、「産前・産後休暇」のことを指します。妊娠や出産をした女性の健康回復と同時に、生まれてきた子どもを保護することを目的に作られた休暇で、労働基準法で規定されている労働者の権利のひとつです。

一方、育休は「育児休業」の略で、育児・介護休業法に定められている制度です。育児または家族の介護をおこなう労働者が仕事と家庭生活の両立を図れるよう支援することを目的としています。
産休と育休は、それぞれ取得できる期間や特徴が異なります。整理して説明しましょう。

産休の期間

産休は、派遣会社から事前説明がなかったり、就業規則に記載されてなかったりする場合でも、条件を満たしていれば取得することができます。
具体的には、本人の希望によって産前に6週間(双子などの多胎妊娠の場合は14週間)、本人の意思に関わらず産後は8週間の休暇を取得することができます。また、医師の許可がおりれば、6週間以降から働くことも可能です。

スタッフサービスグループでは、産前6週間を含むご契約がある方が産休を取得することができます。

育休の期間

育休の期間は、原則1年間です。子どもが1歳になる前日まで取得することができます。
さらに、両親が育休を取得する場合に限って、「パパ・ママ育休プラス」制度により、子どもが1歳2ヶ月に達するまで延長することができます。職場復帰直後の一番大変な時期に、両親が協力して子育てができるのです。
また以前は、配偶者が育休中の場合、育休申請は認められませんでしたが、現在は、夫婦で育休を取得して、一緒に育児に専念ができるようになっています。

産休に加え、育休を取るための条件とは?

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産休の取得に詳細な規定はなく、申請する時点で働いていれば誰でも取ることができます。一方、育休を取得するには一定の条件を満たす必要があります。派遣スタッフでは、以下の2つの条件を満たしている場合に育休の取得が可能です。



派遣スタッフの場合、雇用関係にある相手は派遣会社のため、上の表の「同一の事業主」とは派遣会社を指します。つまり、同じ派遣会社から1年以上の期間お仕事を紹介されていれば、条件を満たしていることになります。

スタッフサービスグループでは、育児休業1ヶ月前までに当社を通して1年以上お仕事をされていて、産前6週間を含むご契約があり、育児休業終了後も引き続き当社での就業を希望されている方が、育休を取得できます。もちろん、男性も育休を取得することができます。

育休を延長できる条件とは?

育休は、最長で子どもが2歳の誕生日を迎える前日まで取得可能です。ただし、満1歳を超えての延長には、法律により次のような規定があります。

1. 保育所に入所希望しているが、入所できない場合
2. 子どもの養育をしている配偶者が、1歳以降の養育を担う予定だったが、死亡、負傷、疾病などの事情により養育することが困難になった場合

特に、1の条件については、昨今は該当する人が多くなっています。平成31年の保育所数は全国で36,345カ所で、2年前の 32,793カ所と比べると、約10.8%アップしています。各自治体が保育所の設置増を急いでいますが、まだ十分とはいえないのが実情です。わが子が入所できなかった場合も想定して、延長の条件はしっかりと覚えておきましょう。

また、育休取得のための申し出の締め切りは、子どもの年齢によっても異なります。
1歳までの育児休業は休業開始日の1ヶ月前までに、1歳6ヶ月までの育児休暇の延長は1歳の誕生日の2週間前までに申し出が必要です。つまり、産休に続けて育休を取得する場合は、産休に入る前に育休申請は済ませておくのがベストといえそうです。

職歴にブランクができることを考慮すると、将来のキャリアや収入面への影響、そして子どもと一緒に過ごす時間とのバランスを考えた上で、育休期間を決めるのがよいでしょう。
派遣スタッフは、働く時間帯や勤務地の希望を明確にして仕事を探すことができるので、「子どもが小さいうちは家から近い派遣先で短時間で働きたい、子どもに手がかからなくなってきたら、勤務時間を増やして働きたい」といった働き方も可能です。今後は、子育てとのバランスを保ちながら働くために「派遣という働き方」を選ぶ人が増えていくかもしれません。

「保育所等関連状況取りまとめ(平成31年4月1日)」より

産休・育休の申請から復帰までの流れ

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産休・育休は、どのタイミングで申請すればよいのでしょう。派遣スタッフが産休・育休を取得する場合の、申請から復帰までの流れを紹介します。

産休取得の流れ

1. 派遣会社への連絡
まずは、妊娠の報告と同時に、出産予定日、産休・育休の取得意思などを伝えます。
妊婦健康診査を受けるための時間が必要な場合は、その旨も伝えます。妊婦健康診査で主治医から「休憩が必要」「入院が必要」などの指導を受けた場合には、その指導内容を派遣先と派遣会社の両方に申し出て、必要な措置を講じてもらいましょう。残業・深夜業を制限したり、軽易業務へ転換を希望したりすることも可能です。

なお、連絡のタイミングは、妊娠がわかった早い段階がおすすめです。妊娠による体調の変化などで業務を遂行できない場合も、休暇の取得がスムーズにできるなどのメリットがあります。

参考までに、スタッフサービスグループがおこなった、働く女性を対象にしたアンケートによると、50%近くの人たちが、妊娠がわかってすぐ、あるいは、心拍が確認されてからすぐに派遣会社へ連絡しています。

2. 必要書類を提出する
育休の申し出期限は、法律で休業開始予定日の1ヶ月前までと定められています。
産休または育休の後に復職をする場合、短時間勤務制度や時間外労働・深夜業の制限、子の看護休暇などの制度を利用できます。子どもの年齢によって利用できる制度が異なるため、事前に派遣会社に確認しておきましょう。

3. 産休期間に入る
産休は、産前休業+産後休業のこと。産前休業期間は6週間、産後休業期間は8週間が基本です。詳細は、「産休・育休の期間」をご確認ください。

4. 復帰
育休を取得する場合は、下記の「育休取得の流れ」をご参照ください。
育休を取得しない場合、もしくは育休期間まで契約期間が残っていない方は、原則、産後休業期間の8週間を過ぎた段階でお仕事への復帰が可能になります。

育休取得の流れ

1. 育休の申し出をする
育休の開始1ヶ月前までに派遣会社に申し出をする必要があります。産休の申請と合わせて、手続きしておくのがおすすめです。

2. 育休期間に入る
育休期間は法改正によって、両親が育休を取得する場合に限って、「パパ・ママ育休プラス」制度により、子どもが1歳2ヶ月に達するまで延長することができます。詳細は、「産休・育休の期間」をご参照ください。

3. 復帰
育休期間を終えた時点で復帰が可能になります。
復職後も、子どもの年齢に応じて利用できる制度がありますので確認しておくとよいでしょう。

産休・育休中の手当や給付

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「産休・育休中は収入がなくなるのでは…」と心配している方もいるかもしれません。たしかに、給与を得ることはできませんが、代わりに、社会保険や雇用保険に加入している場合は、いくつかの手当が支払われます。手当の支給にはそれぞれ条件がありますので、整理して紹介します。

産休中にもらえる手当

・出産手当金
産前・産後の休暇中、健康保険組合から支給される手当です。給付条件は以下の3つです。

1.    本人が出産すること
2.    出産のために仕事を休むこと
3.    給与が支払われていないこと

支給額は〔支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額の平均÷30日×2/3〕という式から産出することができます。出産手当金の認定は、健康保険組合・健康保険協会がおこないます。詳しくは、全国健康保険協会ホームページ(http://www.kyoukaikenpo.or.jp/)をご覧ください。

・出産育児一時金
出産育児一時金は、保険適応外である出産にかかる費用を軽減するための制度で、健康保険に加入している方には、子ども1人の出産につき42万円が支払われます。なお、産科医療保障制度に未加入の分娩期間での分娩は、子ども1人につき40.4万円が支払われます。
健康保険に加入していることが条件ですが、日本では全国民が健康保険に加入しているため、誰でも受け取ることができます。申請には、病院でもらえる「出産育児一時金等内払金支払請求書」に必要事項を記入して提出します。

育休中にもらえる手当

・育児休業給付金
ハローワークで認定を受けることで支給される手当です。
育児休業取得日数に対して、給与(休業開始時賃金日額)の50%が支給されます(ただし、育児休業を開始してから180日目までは67%となります)。
主な支給条件は、以下のとおりです。

 ・1歳未満の子どもを養育するための休業であること
 ・雇用保険に1年以上加入していること
 ・休業開始日以前の2年間のうちに賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること

詳しくは、管轄のハローワークにお問い合わせください。
なお、育児休業給付金は、女性だけでなく、条件を満たせば男性も受給することができます。

《参考》
全国のハローワーク所在案内
https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html

長く安心して働くためにも、産休・育休の予備知識を

産休・育休に関する法律が改正され、派遣スタッフも出産や育児に関する休暇が取得できるようになり、より育児に専念できるようになりました。また育休・産休中に受けることができるさまざまな手当や免除を活用することで、休暇中の家計の不安も解消することできそうです。
妊娠、出産を考えている方は、産休・育休に関する派遣会社の規約や、休暇取得から復帰までの流れを確認しておきましょう。いざという時に慌てたり給付金の申請もれをしたり…ということを防ぐだけでなく、安心して働き続けることにもつながります。

ライター:ライター:みやごかよ(コピーライター/ライター)
複数の広告制作会社にてコピーライター、プランナー、制作ディレクターを経験後に独立。現在はフリーランスとして活動中。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく~」という井上ひさしさんの言葉を大切に日々ライティング中。猫と植物とアートをこよなく愛する一女の母。

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