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人材紹介とは?人材派遣との違い、メリットデメリットについて解説

人材紹介とは?人材派遣との違い、メリットデメリットについて解説

人材紹介とは企業が採用したい人材を紹介し、採用に導くサービスのこと。組織上の欠員や事業をすすめるうえで人員の補充が必要になった際など、企業の要望に応じたキャリアやスキルを持った人材を効率的に補充できるのが特徴です。本記事では人材紹介についての解説と派遣との違い、利用するうえでのメリット、デメリットと注意点を紹介します。

人材紹介の特徴

人材紹介とは?人材派遣との違い、メリットデメリットについて解説_1

企業が人材を採用したいと思ったとき、初期コストを抑えて効率的に採用活動ができる点に人材紹介の大きな特徴があります。広告を通じた人材採用との違いを踏まえて、詳しく確認しておきましょう。

広告メディアを通じて人材を採用したい場合は、初期コストが従量的に発生します。たとえばメディア内で上位表示されるには、広告費を多く支払わなければいけません。また、広告内の写真撮影や記事執筆を広告メディアに委託すれば、その分のコストが発生します。これらの多くは、採用の可否にかかわらず初期コストとして必要になるのです。
これに対して、人材紹介は成功報酬です。募集自体にコストはかからないため、通年で募集することもできます。採用が成立しなければ、企業は人材紹介会社にコストを支払う必要がありません。

人材紹介のもう1つの特徴として、企業が欲しい人材を人材紹介会社から紹介してもらえる点が挙げられるでしょう。人材紹介会社は、企業に人材を紹介するために求職者と面談をします。その面談を通じて求職者の能力やスキル、強みなどを把握しています。そのため、企業が欲しい人材像に見合った求職者を的確に紹介することができるのです。

人材紹介と人材派遣の違い

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企業に対して「人材を紹介する」もしくは「派遣する」というイメージから、人材紹介と人材派遣は類似のサービスに見えるかもしれません。しかし雇用関係を始めとして、両者には大きな違いがあります。人材紹介と人材派遣において異なるポイントを、ここで4つ見ていきましょう。

雇用関係


人材紹介と人材派遣の大きな違いは雇用関係です。

企業が人材紹介会社から紹介された人材を採用すると、人材と企業の間では雇用契約を結びます。人材紹介は企業の採用活動をサポートするサービスですが、このサポートを受ける場面を除けば、一般的な採用活動と人材紹介の選考プロセスとの間に大きな違いはありません。紹介された人材を採用すれば、雇用関係のある社員となります。

一方で人材派遣においては、派遣スタッフと人材派遣会社の間で雇用関係を結んでいます。派遣先で働いている派遣スタッフは派遣先から指揮命令を受けますが、派遣スタッフと派遣先との間には雇用関係はありません。

料金体系


人材紹介は、適切な求職者を求人者へ引き合わせるサービスです。求人者の採用が完了すれば完結する一過性のサービスなので、料金は単発で支払いとなります。前述した通り成功報酬で、採用が成立しなければ、企業は人材紹介会社にコストを支払う必要がありません。

ちなみに人材紹介で発生する料金は、求職者の理論年収の30%に設定されることが多いでしょう。たとえば年収500万円の人材を採用したら、500万円×30%=150万円が料金となります。

これに対し人材派遣は、労働力を必要とする派遣先に適切な人員を派遣し業務をおこなわせるサービスです。業務が続く限り必要となる継続的なサービスなので、料金も利用期間中は発生することになります。

人件費


人件費の考え方も人材紹介と人材派遣では異なります。

人材紹介を通じて採用された人材は、紹介先の企業にとっては社員です。そのため、月給や各種手当(残業手当、通勤手当、家族手当、資格取得手当など)、退職金の掛金、福利厚生費、教育費などが退職時まで発生し続けます。正社員として雇用すれば定年もありますので、長期間にわたって多くの人件費が発生することになるのです。

人材派遣は自社で雇用していないため、税金や社会保険の支払い手続きは不要です。人材派遣にかかる費用は、派遣会社への料金だけとなります。

面接


面接の考え方も人材紹介と人材派遣では違います。自社の社員として人材を採用するのですから、選考プロセスはしっかりと踏む必要があるでしょう。人材紹介では2~3回の面接を経て採用という流れとなり、人物を評価するための面接は特に重要な選考プロセスです。

人材派遣においても、自社で働くうえで人物を評価したいところでしょう。しかし実施のところ、人材派遣で面接することは禁じられています。労働者派遣法の第26条6項において、派遣スタッフを特定することはできないとされているのです。この「特定できない」という点が、派遣スタッフを紹介先企業が面接できないことの根拠となります。そのため、人材派遣においても就業前に企業と人材が会う機会はありますが、あくまで面接ではなく職場見学の位置づけです。

人材紹介のメリット

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人材紹介を活用すると、どのようなメリットやデメリットがあるでしょうか。まずはメリットから見ていきましょう。人材紹介のメリットとして、主に以下の4点が挙げられます。

採用に必要な時間や手間を抑えることができる


人材紹介では企業ごとに専属の担当者がつきます。企業が求める人材をヒアリングし、そのうえで人材を募集してくれるのです。さらに人材紹介では、そのヒアリング内容を元に企業に合った人材を選びます。応募を募るといった活動も担当者がおこなってくれるため、採用にかかる時間や手間を抑えることが可能です。さらに、面接日程の調整を始めとする求職者とのやり取りも人材紹介会社が担当するため、効率的に採用活動をすすめられるでしょう。

成功報酬型サービスのため、コスト面のリスクを減らせる


人材紹介における成功報酬型サービスは、初期コストをかけずに人材を採用できる採用手法です。人材を採用したときに初めてコスト(仲介手数料)が発生するので、「採用できなかったのにコストだけがかかった」という事態を防げます。

広告のように初期コストがかかってしまうと、「コストをかけたのだから妥協してでも人材を採用したい」という気持ちになりがちです。しかし人材紹介ならコスト面のリスクが低いので、じっくり自社の要望に添った人材を選べるでしょう。

企業の魅力を求職者に伝えやすくなる


人材紹介会社が求職者に対して企業を紹介する際は、募集要件や企業情報などが記載された求人票を渡します。この求人票は人材を募集する企業が書きますが、人材紹介会社から法的な要件をクリアしているかなど、アドバイスを受けることもできます。

また、人材紹介会社は求職者と直接会っていますから、求職者が何を望んでいるのか把握しています。つまり、そうした情報を活用することで、求人会社は、求職者が「応募したい」と思うような企業の魅力を、求人票に落とし込むことができるのです。仕事を通じて得られる働きがい、社員を定着させるための取り組みなどを求人票に書いていくことで、より求職者にアピールしやすい求人票を書くことができるでしょう。

非公開求人として、採用をすすめることができる


人材紹介は役員や幹部クラスなど、採用活動をおこなっていることを社内外に知られたくないときにも有効なサービスです。企業の希望があれば非公開求人として取り扱い、情報を公にすることなく採用活動をおこなえるのです。

人材紹介のデメリット

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人材紹介のデメリットについても、しっかり把握しておきましょう。

採用決定後の成功報酬が高価な場合が多い


人材紹介は初期コストをかけずに採用活動をおこなえますが、その反面、採用決定後の成功報酬が高価な場合が多い点がデメリットです。理論年収の30%が仲介手数料としてかかりますから、採用難易度が高い人材であればあるほど、高い成功報酬を支払う可能性が出てきます。

採用活動にまつわるノウハウが社内に蓄積されない


人材紹介では、人材紹介会社に採用活動のサポートを任せられます。ただしこのサポートの部分は、採用活動にまつわるノウハウに該当することがほとんど。そのため、社内にノウハウが蓄積されないままになってしまいがちです。

たとえば一般的な採用活動では、合格した求職者に対して採用担当者が内定フォローをおこなうでしょう。優秀な人材であるほど複数の内定を得ているので、採用担当者は相手に入社意欲を高めてくれるよう、さまざまなアプローチを駆使することで入社してもらえます。

このような内定フォローを重ねれば、社内にそのノウハウが蓄積されることになります。しかし人材紹介会社にサポートを任せきりにしておくと、いざ自社のみで採用活動をすすめようとした際、ノウハウが足りず採用活動に支障をきたしかねません。

登録型の人材紹介サービスの場合は登録人材の職種が限られている


人材紹介サービスには登録型とサーチ型が代表的です。登録型は求職者を人材紹介会社内にプールしておき、企業に紹介するスタイル。これに対してサーチ型は、自社に登録していない人材も広く探していくタイプの人材紹介です。サーチ型は、ヘッドハンティングをイメージしていただくとわかりやすいでしょう。

登録型の場合、人材の職種が限られていることがデメリットとして挙げられます。ニッチな職種を探している、あるいは市場に出回っていない高度な職種を企業が探す場合には、登録者に対象となる人材がいないことがあり得るでしょう。

大都市圏以外での採用に対応していない場合がある


全国展開している人材紹介会社も、大都市圏以外の採用に対応していない場合があります。特に登録型の人材紹介の場合、登録している人材がいることが前提です。そもそも地域によって対象となる人材がおらず、サービスが提供されていないこともあるのです。

まとめ


人材紹介と人材派遣の違いを押さえ、自社に合った紹介サービスを使おう

人材紹介では企業が欲しい人材を紹介してもらうことで、採用に必要な時間や手間、初期コストを大きく減らすことができます。また、企業の魅力を求職者に対して客観的に伝えられる点も、メリットの1つでしょう。一方で、成功報酬が高いこと、採用ノウハウが社内に蓄積されないなどのデメリットもあります。また、募集する職種や地域によっては、人材紹介で思うように採用活動がすすまないことも考えられます。

人材紹介か人材派遣か、どちらか迷った場合は派遣という段階を経て、採用に至るという方法もあります。人材派遣では紹介予定派遣という形態もあります。紹介予定派遣は、人材派遣を依頼した企業に派遣スタッフが一定期間就業したあと、直接雇用契約することを前提とした働き方です。一定の期間就業し、人材派遣を依頼した企業、人材派遣会社、派遣スタッフが合意すれば、企業は派遣スタッフと直接雇用契約を結ぶことが可能です。

人材紹介と人材派遣では雇用関係や仲介手数料、面接可否などさまざまな違いがあり、これら違いとともにそれぞれのメリットやデメリットを押さえておくことが必要です。自社に合った採用サービスの利用を検討するようにしましょう。


《ライタープロフィール》
山崎英理夫
人事コンサルタントとして教育研修のプログラム開発、人事制度診断等を提供。また、企業人事として新卒・中途採用に従事し、人事制度構築や教育研修の企画・運用など幅広く活動。この経験を活かし、人材関連の執筆にも数多く取り組む。