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仕事のキャパオーバーとはどんな状態?対策は?

仕事のキャパオーバーとはどんな状態?対策は?

業務で忙しい日々を過ごしていると、気づかぬうちに「キャパオーバー」に陥っていたりするものです。それが続くようだと、トラブルを招いたり、周囲との人間関係でギクシャクすることにもなりかねません。最悪の場合は、メンタル不調を引き起こす可能性もあります。キャパオーバーとはどんな状態なのか、なぜ起こるのか。そしては、キャパオーバーになったときの対処法とは。具体的に解説します。

仕事のキャパオーバーが起こる原因

キャパオーバーは、原因が1つではなく、複数の原因が重なり、起こってしまうことが多いです。どういう原因が考えられるのか、チェックしてみましょう。

業務量が多い

今自分が持っている業務量を見積もることができずに、新たな仕事を受けたりすると、キャパオーバーになります。この状況になるのは、性格的なところもありますが、多くは自分の能力がつかめず、段取りが組めない、キャリアの浅い時期に陥りがちです。

時間に余裕がない

タスクなどが多くなりすぎると、一つひとつの作業に集中できなかったり、作業自体を簡略化するようになり、時間的な余裕が持てなくなります。これもキャパオーバーを起こす原因です。その結果、ミスやトラブルに発展すれば、精神的な余裕もなくなってしまう恐れがあります。

業務の優先度をつけることができない

やるべき仕事に優先順位をつけられずに、仕事が滞りがちになれば、気がつけばキャパオーバーになってしまいます。今抱えているタスクを全て洗い出して、緊急度と重要度の観点で整理していけば、スケジュールの目処や業務量を把握することができます。

自身のスキル以上の業務をしている

スキルや能力以上に業務を受けていると、常に全力投球で業務に向き合わなければなりません。それを続けていると、気持ちに余裕が持てなくなり、仕事がたまって、キャパオーバーになりかねません。行き過ぎると、メンタル不調を招く恐れもあるため、注意が必要です。

悩みを抱えた状態で仕事をしている

職場での人間関係や、友人や家族の問題など、悩みを抱えながら仕事をしていると、本来の力を100%出せずに、作業が遅々として進まないことがあります。これも、キャパオーバーになる恐れがあります。まずは、その悩みを解消することに専念しましょう。長期にわたって時間を要するのであれば、その期間は仕事量を減らしてもらえるように、上司などに相談するのも方法です。

キャパオーバーしているサイン

仕事のキャパオーバーとはどんな状態?対策は?_2

キャパオーバーになりそうな時は、いくつかの兆候が表れます。しかし、本人は目の前の業務をこなすことで手一杯なので、意識していないと、そのサインを見落としてしまいがちです。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

ミスが増える

キャパオーバーになると、時間の余裕がなくなり、普段ならやらないミスを起こしてしまいがちです。「自分への評価を落とす」ことにもつながるため、ミスが増えてきた時には、これまでの業務に抜け漏れがないか見直してみましょう。

業務時間内に仕事が終わらない

トラブルが重なったりして、一時的に残業時間が増えることはありますが、慢性的に業務時間内に仕事が終わらない場合は、キャパオーバーの兆候です。常態化していると、自分ではキャパオーバーだ、と気づかないので、業務量を可視化して、周りの意見を聞くことが大切です。

気持ちに余裕がなくなる

ちょっとしたことでイライラしたり、感情の浮き沈みが激しくなったりしたりして、気持ちに余裕がなくなった時は、要注意です。キャパオーバーになっているかもしれません。休暇をとるなどして、仕事と距離をおいて、冷静になれる環境をつくりましょう。

「疲れがとれない」「頭痛や腹痛がつづく」などの症状が続くときは、注意が必要です。業務が多くなり、キャパオーバーにより、知らないうちに心身に疲労がたまっているせいかもしれません。そのまま放置していると、仕事を続けられなくなる可能性があります。まずはクリニックや病院へ行き、現状の健康状態を検査しましょう。

人に会うことが面倒になる

普段であれば、友人とのショッピングや、同僚の飲み会などは気分転換になり、楽しいはずです。しかし、仕事が忙しくなり、キャパオーバーになってくると、人と会うこと自体がおっくうになってきます。これは、気持ちが弱っている証です。上司などに相談して、業務量を減らしてもらい、休暇をとって、ゆっくり過ごせる時間をつくるようにしましょう。

頭が働かない

キャパオーバーの兆候として、いつもなら簡単にできる業務が、思うように頭が働かずに円滑に進められないことがあります。いろいろなタスクを同時に考えなければならず、頭がパンクしている状態かもしれません。1つ1つのタスクを見直して、分解して、やるべきことを可視化することから始めましょう。

仕事のモチベーションが上がらない

「業務量が多くなり、気持ちが切り替えられない」「仕事を始めようにもエンジンがかからない」など、仕事へのモチベーションが上がらない人は、キャパオーバーになりかけの可能性があります。これが続くようだと、自身の健康状態に悪影響を与えるリスクがあるので、上司や人事などに相談するようにしましょう。

キャパオーバーになりやすい人

能力や仕事の進め方以外に、性格やこだわり、大切にしている価値観などによって、キャパオーバーになりやすいタイプがあります。自分に該当する項目がないか確認してみましょう。

責任感が強い

仕事を途中で投げ出さずに、やり遂げるためには、「責任感」は大事な要素です。しかし、その思いが強すぎると、業務量が増えて、キャパオーバーになりやすい傾向があります。必要以上に責任感を持ちすぎないように注意しましょう。

悩みや仕事を一人で抱え込む

「自分の評価が下がってしまう」。そんな思いから、悩みや仕事を誰にも相談せずに、一人で抱え込んでしまう人がいます。こういうタイプの人は、周りが気づかずうちにキャパオーバーに陥って、発覚したときには、取り返しのつかないことになることが多いです。将来のリスクヘッジ(危険を予測し、それを避けるよう対策を取ること)のためにも、周りと密にコミュニケーションをとるようにしましょう。

完璧主義

一つ一つの仕事に自分が納得できるまで、とことんこだわるがあまり、次々と仕事が舞い込んできては滞り、業務量が増えていく。気がついた頃には、キャパオーバーになっています。どこまでこだわってやるかは、納期とのバランスを考慮して、業務を進めるようにしましょう。

頼みを断れない

「人の役に立ちたい」という強い気持ちから、自分の能力や、抱えている業務量を考えずに、受けてしまい、いつのまにか業務過多に陥り、キャパオーバーになってしまう。「人の頼みを断れない」のは、自信のなさの表れかもしれません。このタイプは、すぐには断れない人が多いので、まずは代替案を提示してみましょう。そうすれば、相手にも不快な思いをさせずにすみます。

キャパオーバーになったときは?

キャパオーバーになってしまった時は、焦らずに、これから紹介する対応策をとることで、改善することが可能です。自分にとって、取り組みやすい施策からチャレンジしてみましょう。

タスクを細かく分解して、優先度を整理する

さまざまなタスクを抱えて、どのように進めればいいか分からない人は、次の手順で、タスクを整理していきましょう。

▼すべてのタスクを洗い出す
▼緊急度・優先度をもとに、優先順位をつける
▼スケジュールをつくる


タスクは細かく分解したほうが、どんなことに、どのくらいの時間がかかるのかも把握できます。また、実行後は定期的に進捗を把握して、計画したスケジュール通りに進められているか、確認しましょう。

上司や同僚に業務を分散できるか相談する

多くの業務量を抱えている人には、時には自分一人で処理できない業務が出てきます。その場合は、他のスタッフに業務を任せられないか、上司や同僚に相談してみましょう。その際、作業量と作業時間の目安、作業手順をしっかり伝えて、引き継ぐ相手がすぐにでも取り掛かれるようにしておきましょう。

周囲に業務量やリソースを共有する

キャパオーバーを起こさないためにも、周囲に定期的に業務量を伝えることが大切です。また、周囲のメンバーにどのくらいの余力が残っているのかヒアリングして、リソースを共有しておけば、万が一の自分がキャパオーバーの際には、タスクなどをお願いしやすくなります。

業務の効率化を検討する

ムリ、ムラ、ムダを洗い出して、仕事の手順を改善したり、新たなツールを活用したりすることで、業務の効率化を図り、キャパオーバーを削減できる可能性があります。例えば、効率的に仕事をしている他のメンバーに方法を聞いてみるのも一つのやり方です。

休暇をとる

心身ともに疲れてくると、仕事に集中できずに、業務効率が落ちて、キャパオーバーになりやすいです。定期的に休暇をとって、気持ちをリフレッシュしましょう。そうすれば高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

まとめ

キャパオーバーになる要因は、さまざまです。原因を突き止めて、それに合った対処を実践すれば、時間や気持ちに余裕を持って、業務が行えるようになるでしょう。派遣であれば、就業前に仕事内容や残業時間などを雇用契約書などに記載して、契約を結びます。それゆえキャパオーバーすることなく、安心して働けます。
 



<ライタープロフィール>
西谷 忠和

新卒・中途採用、進学などのメディアにて広告制作ディレクターを経験後、2007年に独立。現在は、フリーのライターとして採用サイト、求人メディアの広告、採用のオウンドメディア、人材サービス企業のインナーコミュニケーションなどのコンテンツ制作に携わっています。またライフワークとして、20~50代のビジネスパーソンやフリーランスのキャリア支援を行うキャリアコンサルタントとしても活動中。