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育休・産休から復帰するまでどれぐらいかかった? 困ったこと、準備すること

育休・産休から復帰するまでどれぐらいかかった? 困ったこと、準備すること

2022年4月からの法改正により、男性育休の制度が順次変わります。育休(育児休業)制度の期間は、原則的には子どもが1歳になるまでと定められていますが、現状、育休を取得してる人はどれぐらいの期間、申請しているのでしょうか? 今回のアンケートでは、この他にも、育休を取得された方を対象に、育休から復帰した理由、仕事に復帰するまでに準備したことなどを聞きました。

育休(育児休業)とは?

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育休とは、産後休業が終わった翌日から子どもが1歳になるまでの間で希望する期間、育児のために休業できる制度です。同一の事業主に引き続き1年以上雇用されているなど、一定の条件を満たすことができれば、男性、女性ともに取得できます。

2022年の厚生労働省の雇用均等基本調査によると、女性の育休取得率は80.2%、男性の育休取得率は17.1%でした。

【出典】
令和4年度雇用均等基本調査

 

育児休業と育児休暇の違い

育児休業と似た言葉として「育児休暇」もありますが、大きな違いは法律で定められているか否かです。
育児休業は、育児介護休業法に基づいて取得できる休業制度です。休業中に減じた収入を補う給付制度など、法律の中でさまざまな権利が保護されています。また、通常「育休」という場合は、育児休業のことを指します。
育児休暇は法律の適用外で、あくまでも企業の裁量に任されています。

育休の取得期間は「6ヶ月~1年未満」が約3割

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育休を取得した期間でもっとも多かったのは「6ヶ月~1年未満」で、約3割でした。男女別で見ると、女性が「6ヶ月~1年未満」、「1年以上~1年6ヶ月未満」が多く、男性の育休取得者は、「2ヶ月未満(7週以下)」が多い傾向にありました。

育児休業制度の期間は、原則的には子どもが1歳になるまでと定められています。ただし、子どもが1歳になった時に、保育所に入所できなかった場合、1年6ヶ月まで延長することができます。さらに子どもが1歳6ヶ月になった時に保育所に入所できないケースでは、2歳になるまで育休を延長することが可能です。アンケートでは、育休を延長して、「1年~2年未満」の期間で取得している人が18.3%いました。

産休(産前・産後休業)とは?

産休(産前・産後休業)の取得期間についても聞いてみたところ、「2ヶ月~3ヶ月未満(8~14週)」がもっとも多く、約4割を占めていました。
産休は労働基準法で定められており、出産するすべての人が取得できる制度です。出産の準備期間(産前休業)と産後に回復する期間(産後休業)を合わせた休暇で、原則として出産翌日から8週間は就業が禁止されています(しかし、産後6週間を経過したあと本人が希望し、医師が認めれば就業できます)。

育休から復帰した理由は「家計のため」が6割以上!

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育休から復帰した理由でもっとも多かったのは、「家計のため」(63.3%)でした。保険会社が「0~6歳の子どもがいる既婚男女」をおこなった調査では、子育てにかかる費用の月額平均は40,687円。不足していると回答した人の平均金額は23,620円で、負担が大きいと感じている費用のトップは保育園・幼稚園代でした。出産後、子育て費用もかかってくる家計を支えるため、職場に復帰している人が多いことがうかがえます。

また、育休から復帰した理由1位の「家計のため」(63.3%)とは大きく差が開きますが、2位以降は、「自身のキャリアアップのため」(29.7%)、「職場が人手不足のため」(24.3%)、「働くことが好きなため」(21.0%)が続きます。

「家計のため」「職場が人手不足のため」(24.3%)といった物理的な理由で職場復帰する人もいる一方で、「自身のキャリアアップのため」、「働くことが好きなため」、「会社や職場に貢献したいため」(17.3%)、「会社や職場が好きなため」(14.7%)など、自分自身の希望で職場復帰している人も多く見られます。

育休復帰で気になったのは、「仕事についていけるか」「家事と仕事との両立」

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育休からの復帰で気になったこと(複数回答)の上位には、「仕事についていけるか」(53.3%)、「家事と仕事との両立」(49.3%)がランクインしました。3位以降、「復帰後の生活のリズム」(39.7%)、「会社や職場の変化への対応」(37.7%)、「職場の人間関係」(35.3%)が続きます。

さらに、もっとも気になったことを1つだけ挙げてもらった結果、1位は「家事と仕事との両立」(28.7%)でした。内閣府調査の男女間における家事の比較調査では、子どもがいない世帯では女性が男性の1.33倍となっていますが、未就学児がいる家庭では、2.27倍に増えています。また、男性の育休取得率は増加傾向にはあっても、女性の81.6%に対し、男性は12.65%といった実情もあります。家事は依然として女性に負担がかかる傾向にあるようです。

仕事に復帰するまでに準備したのは、「子どもの預け先を見つける」が7割以上

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仕事に復帰するまでに準備したことで、もっとも多かったのは「子どもの預け先を見つける」(71.7%)でした。中には、「ファミリーサポートや子どもの病気など急な時に対応できる預け先の確保」(女性/33歳)という回答もありました。
2位以降、「家事や子育てを分担する/協力を得る」(41.0%)、「生活のリズムを復帰後に合わせる」(34.7%)と続きます。

この他、「身だしなみを整える」(11.3%)、「仕事で必要なスキルを練習する」(10.7%)、「復帰に関わる情報を集める」(8.3%)といった仕事に向けての準備もありますが、それよりも、「子どもを預かってくれる両親との連携」(女性/49歳)、「育児のためにどういったプランをするのか妻と考えた」(男性/46歳)など、家庭内における準備に比重が置かれていることがうかがえました。

育休からの復帰で工夫したこと(自由回答)

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最後に、育休からの復帰で工夫したことについて聞いてみました。「子どもに関すること」「仕事に関すること」「生活習慣」など、さまざまな回答が寄せられました。参考にしてみてください。

<子どもに関すること>
・子どもにとって母親が昼間いないことに慣れさせるのが一番大切な準備だった(女性/37歳)
・保育園通園のためにプレ保育で、子どもを保育園に慣れさせる(36歳/女性)
・保育時間が長く、子どもに対してのフォローが厚い仕事と育児を両立しやすい保育園を選んだ(女性/38歳)
・母乳育児だったため、どう卒乳するかを考えておいた(女性/38歳)

<仕事に関すること>
・復帰後、スムーズに仕事にとりくめるよう、職場のメンバーとの打ち合わせ(女性/41歳)
・会社の制度の再確認。実際に復職された方のタイムスケジュールやルーティンを見る(女性/36歳)
・職場に復帰して業務をスムーズにおこなえるように、職場の状況を聞いて予習(男性/45歳)

<生活習慣、そのほか>
・子育てと生活リズムの調整と仕事時間のシミュレーションを兼ねた練習(女性/48歳)
・週に一度家事代行の方に来てもらう手配をした(44歳/女性)
・オフィスファッションやメイクなどを研究した(女性/34歳)
・他の人の生活リズム参考にするためネットで検索。産後元の体重に戻すためにダイエットもした(女性/40歳)
・寝る時間、起きる時間を仕事に向けて調整(男性/28歳)
・お金を蓄えた(男性/48歳)

まとめ

育休の取得期間でもっとも多かったのは「6ヶ月~1年未満」で約3割でした。多くの人が「家計のため」に復帰しているようですが、その際、気になったことで多かったのは、「仕事についていけるか」「家事と仕事との両立」でした。また、仕事に復帰するまでに準備したのは、「子どもの預け先を見つける」が7割以上でした。
育休から復帰する際、子どもがどのように過ごすか、体制を作っていくことを優先しつつ、生活習慣を整える、仕事に向けてさまざまな準備をしているようです。

 


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