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キャリアプランとはどのようなもの?

キャリアプランとはどのようなもの?

将来を考えるとき、転職をするときなどに考えた方がいいとされるキャリアプランですが、そもそもどのようなものかは詳しくわかっていない、どう考えればいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、キャリアプランが一体どのようなものなのか、類似する用語との違いや描くメリット、描き方を紹介します。
 

キャリアプランとは

キャリアプランとはどのようなもの?_1

キャリアプランは、自分の生涯をかけてどんなキャリアを歩みたいか、最終的な目標に向けて、その途中途中で転職・職種変更などはどのようにすべきか、計画することを指します。

キャリアプランに似ている言葉に、キャリアパスとキャリアアップがありますが、その違いも簡単に紹介します。キャリアパスは主に企業内で特定のポストや部署への異動のために、どのようなキャリアを歩む必要があるかをまとめたものです。

もうひとつのキャリアアップはスキル・経験を磨き、自分自身の市場価値を上げることを指します。市場価値は人によって定義が異なるため、いくつか例を紹介します。

・年収が上がる
・中小企業から大手企業へ転職をする
・役職につく
・職務範囲を広げる

これらすべてを指すこともあれば、ひとつだけ指すこともあるため、文脈で判断する必要がありますが、いずれもキャリアアップと言われることがあります。

キャリアプランを描くメリット

次に、キャリアプランを描くメリットについて紹介します。キャリアプランが大切ということはよく聞くけれど、具体的にキャリアプランを描くとどんなメリットがあるのか、わからない方もいるかもしれません。

ここでは、キャリアプランを描くメリット3つを紹介します。

進むべき方向が明確になる

キャリアプランを描けば、いつまでに何をしなければならないかが明確になります。明確な目標がないまま同じ仕事を続けていると、「このままでいいのだろうか」と漠然とした不安に襲われ、方向性に迷う時期が訪れやすくなります。

しかしキャリアプランを適切に考えられていれば、進むべき方向が明確でこのまま進んでいけばプラン通りの結果が得られる可能性が高まります。安心してキャリアを進めていくことに集中できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

モチベーションが上がる

キャリアプランがない場合は、迷う、不安で判断を誤るといったことが起きやすく、モチベーションが下がりがちです。しかし、キャリアプランをしっかり描いていれば、自分のなりたい姿や進むべき方向が明確になっているため、「◯◯を実現するために、まず目の前の仕事を頑張り、周囲に認めてもらおう」など、モチベーションが上がりやすい状態をつくれます。

周囲からサポートを得やすい

キャリアプランを明確にすれば、自分自身の要望が言語化されます。すると、たとえば上司との面談の際、「将来このようなキャリアプランを考えているため、今のポストでもそのキャリアに近づくような経験をさせてほしい」など、明確な要望を伝えられます。

また、キャリアプランが明確になっていることが伝われば、周囲から「◯◯のプロジェクトがあるから、それにチャレンジしてみたら」「知り合いが◯◯をやっているから紹介するよ」など、声をかけられる可能性も高まります。

言語化されていなければ、周囲に発信できないため、こういったことは起こりにくいです。周囲からのサポートを得やすくなるのはメリットといえるでしょう。

キャリアプランの描き方

キャリアプランとはどのようなもの?_3

実際にキャリアプランを描きたいけれど、何から始めればいいかわからない方のために、キャリアプランの描き方のポイントを紹介します。

最終的にどのような仕事をしたいかを明確にする

まずは、あなたがキャリアの最後にどんな仕事をしたいか、考えてみてください。独立や、今の企業で経営陣になりたいなど就きたいポストで考えてもいいですし、住みたい場所、興味のある仕事などをベースにする形でも、自由な考え方で構いません。

今できることと理想のギャップを明確にする

最終的な姿がイメージできたら、現在とその理想のギャップを明確にしていきましょう。スキル・経験・人脈など、あらゆる要素で理想と現在とのギャップを明確にしてください。独立であれば資金面も必要になってくるでしょう。

現時点でわからないこともあるかと思いますが、調査をしていけば大まかにどのくらいのスキルが必要かはわかるようになっていきます。おぼろげにでもイメージできておくと、精緻なキャリアプランが作れますので、ぜひ調査しながら進めてみてください。
 

ギャップを埋めるためのステップを考える

ギャップが明確になったら、そのギャップを埋めるためのステップを考えます。自分が目指す理想の姿を実現している人を探し、その人がどんなスキル・経験・人脈などを積み上げてきたのか、類似する人はどのようにキャリアを積んできたのかを参考にしながら、いつまでにどのような活動が必要かを明確にし、理想のキャリアまでのステップを作っていきましょう。

年代別、職種別のキャリアプランの例

年代・職種によって、キャリアプランは大きく異なるため、事務と営業の20代・30代で例を挙げて紹介します。

事務職 20代

現在は事務職として本社業務のサポートをしていますが、将来的に管理部門の部長となって、バックオフィスから企業を支える仕事がしたいと考えています。そのため、現在簿記の勉強、総務の実務サポート、人事のサポートを積極的におこない、基礎知識を身につけています。2~3年スパンで異動してそれぞれの経験を身につけた後に課長となり、経験を積んで5年以内を目処に部長職にチャレンジできたらと思っています。

こうして若い頃からきちんとキャリアプランを描いていることを伝えたうえで経験を積み上げた場合、そのやる気や自主性をかわれて、他管理部門への異動が可能になる可能性もあります。

事務職 30代

現在事務スタッフのなかでも中堅の存在で、会社の裏側の仕組みを10年ほど学び、よく理解しています。今後は日本の生産年齢人口も減る一方であるため、今の内にDX化を進めていき、自社の営業効率を上げていくことが目標です。間接部門の業務効率化を実現し、全社の営業効率を上げて、事務の責任者としてさらなる効率化を測っていくことが目標です。

自分がこれまでに積んできたキャリアを拡張し、会社にこのように貢献できると伝えると、目指すキャリアプランを応援してもらいやすいでしょう。

営業職 20代

営業職として3年勤務し、自社の商品ラインナップをより強化し、売上を拡大したいと考えるようになりました。将来は自社の商品の魅力がより伝わる商品企画の責任者になり、属人性をできるだけ減らし、営業工数のかからない営業体制を作っていきたいと考えています。

現在営業として働くなかでお客様の声をたくさん聞き、商品企画の方と連動して◯◯商品を開発しました。この経験を活かして、商品企画職として職種を変更したいと考えています。

このように伝えれば、他の商品企画にはいないタイプの経験を持った人材であるため、異動することも可能になるかもしれません。

営業職 30代

中堅の営業課長となり、人によって達成・未達成が分かれてくる構造が気にかかるようになりました。これまで個人で実施してきた売り方を自身のメンバーには伝え、実績を上げてきましたが、今後はより大規模な単位で売り方開発をして、営業部売上に貢献したいと考えています。

そのためには、営業部の部長となり、営業メンバーの売り方開発に加えて、代理店内の売り方開発などにも力を入れ、全社の売上拡大に貢献したいと考えております。

理想と現状について触れ、どうやってその差を埋めていくのかを書いておくと、相手に伝える段階で理解されやすく、応援してもらいやすくなります。

まとめ

キャリアプランとはどういったものなのかがわからない方に向けて、描くメリットは何か、描き方はどうすればいいのかなどをまとめて紹介しました。一度作っておくと型ができるため、たとえ今後将来の目標が変わったとしても、比較的作り直しが楽にできるはずです。

キャリアプラン作成によって、仕事のモチベーション向上、周囲のサポートを得やすくなり、自分の悩む時間を減らせると多くのメリットが得られます。仮に、現在キャリアプランが決まっていない方は、ぜひ時間をとって考えてみてはいかがでしょうか。

 


<ライタープロフィール>
高下真美 / ライター

新卒で人材派遣、人材紹介企業に入社し、人事・総務・営業・コーディネーターに従事。その後株式会社リクルートジョブズ(現・株式会社リクルート)に転職し、営業として8年勤務後、HR系ライターとしてフリーランスへ転身。現在は派遣・人材紹介・人事系メディアでの執筆、企業の採用ホームページの取材・執筆の他、企業の人事・営業コンサルタントとして活動中。