派遣の契約更新をしないときはどうすればいい? 円満に伝える方法や理由の答え方を紹介

派遣の契約更新をしないときはどうすればいい? 円満に伝える方法や理由の答え方を紹介

派遣の契約終了を控えている派遣スタッフは、更新の有無について検討しなければなりません。派遣の契約は更新をしない選択もできますが、伝え方によってはトラブルになってしまうこともあります。
本記事では、契約更新の大事なポイント、更新しない場合に円満に伝える方法、その理由の答え方、次の仕事を探せる時期についてわかりやすく解説します。

派遣の契約更新とは

派遣の契約更新をしないときはどうすればいい? 円満に伝える方法や理由の答え方を紹介_1

派遣の契約更新とは、契約終了の1ヶ月~数ヶ月前に、その派遣先の仕事を続けるか、別の派遣先を希望するかを決めることです。契約更新の大事なポイントについて紹介します。

・いつ更新の意思を確認される? 自分から意思表示したほうがいい?
派遣の契約は、一般的には契約更新の「30日前」には更新の意思があるかを確認されます。この時点より前に、派遣スタッフから意思表示をしたり、自分から確認したりしなければならないことはありません。契約更新の回数が少ない方や、短期契約の方の場合であっても、これは同じです。

・更新の意思は誰から確認されるの?
契約更新は、「派遣先企業」からではなく「派遣会社の担当者」から、電話やメール、職場への訪問による面談などで意思確認をされます。契約が終了する場合も、同じように派遣会社の担当者から通知されます。契約更新を希望しない場合も、「派遣会社の担当者」に伝えましょう。

・派遣の契約は自動更新されることはないの?
派遣の契約は、自動的に更新されることはありません。初回の契約時も含めて、契約の自動更新はされず、派遣会社との面談で更新の意思表示が行われます。派遣スタッフが派遣の契約更新をしない選択をする場合は、このタイミングで派遣会社の担当者に伝えましょう。

派遣の契約更新はしないこともできる

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派遣の契約更新をおこなうかの選択は、派遣スタッフの権利として法律で認められています。法律で認められていることですから、契約更新しないことを後ろめたく思ったりする必要はありません。

とはいえ、伝え方には注意が必要です。意思表示の仕方によってはトラブルが起こってしまうことも。契約を更新しない場合は、円満に伝えることを意識したほうがいいでしょう。

更新をしない場合は「自己都合退職」になる?

派遣の契約更新をしない場合、「会社都合退職」になるのか、「自己都合退職」になるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。これは、契約更新をしない理由によって異なります。

・「会社都合」になる場合
派遣会社が倒産をしてしまった場合や、派遣スタッフには働く意思があるにも関わらず、1ヶ月以上お仕事の紹介がなかったりした場合は、「会社都合退職」になります。

・「自己都合」になる場合
派遣会社から次の仕事を紹介されているにも関わらず、派遣スタッフが契約更新をしない場合や、事前に契約更新しない意思を伝えている場合は、「自己都合退職」になります。

自己都合か会社都合かによって変わる!失業保険の受給日数

「自己都合」か「会社都合」によって変わるのは、失業保険の受給日数です。失業保険は、自動的に給付されるわけではありません。ご自身でハローワークに「受給資格決定」の手続きをしてから、条件に応じて給付がスタートします。また、離職の理由によっても給付開始のスケジュールが変わります。大事なポイントですから、詳しく見てみましょう。

・「会社都合」の場合
雇用保険の加入条件にもあった「特定理由離職者」に該当する場合は、会社都合になります。失業保険は、退職の理由によって「一般受給資格者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」に分類され、以下のように適用ルールなどがそれぞれ異なっています。
 

一般受給資格者 定年、契約期間満了、自己都合退職などの理由によって離職した人が該当します。離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある場合に失業保険が支給されます。
特定受給資格者 雇用されていた企業が倒産した、解雇を受けたなどの理由によって、再就職先を見つける準備が十分にない状態で離職をしなければならなかった人が該当します。
特定理由離職 特定受給資格者以外の方で、期間の定めのある労働契約が更新されなかった、あるいは病気やケガなど、やむを得ない理由によって離職した人が該当します。

「会社都合」の場合は、離職票の提出と求職の申し込み手続きをハローワークで行った日(受給資格決定日)から通算して7日間の待機期間を経て、給付期間がスタートします。

注意したいのは、「次の派遣就業先を派遣会社が指示しない場合で、派遣労働者が同じ派遣会社からの派遣就業を希望していながら、契約期間満了後1ヶ月以上派遣就業がない場合」という条件がつくことです。

契約期間の満了後、派遣会社から次のお仕事の案内があるにもかかわらず契約更新を断った場合には「自己都合」の扱いとなり、離職票にそれが記載されることになります。

・「自己都合」の場合
「自己都合」の場合は離職理由を問われません。「会社都合」と同じく、受給資格決定日から通算して7日間の待機期間、さらに、5年間のうち2回までは給付制限期間が2ヶ月となります。詳しくは、お近くのハローワークや、都道府県労働局までお問い合わせください。

派遣の契約更新をしない場合の円満な伝え方

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派遣の契約更新をしない場合は、できるだけトラブルを避けたいもの。契約更新しない場合の円満な伝え方について、4つの大事なポイントを紹介します。

・最初に「派遣会社の担当者」に契約更新をしない意志を伝える
派遣スタッフが契約を結んでいるのは派遣会社(派遣元)になりますから、派遣の契約更新をしない場合は、最初に「派遣会社の担当者」に伝えます。契約の当事者ではない派遣先の人に伝えても、正式な契約更新・終了のフローとはなりません。
派遣先の企業で親しくなった人や信頼できる人がいても、まずは派遣会社の担当者に契約更新しない意思を伝えましょう。

・遅くとも契約が修了する「1ヶ月前」までに伝える
円満に契約終了するためには、契約更新をしない意志を伝えるタイミングも重要です。契約更新をしない場合は、派遣先の企業では別の派遣スタッフが必要となるはずです。すぐに代わりの派遣スタッフが見つからない場合は、契約の延長を頼まれる場合があります。

遅くとも契約が修了する「1ヶ月前」までには、派遣会社の担当者に伝えましょう。それによってトラブルを避けることができ、ご自身も早く新しい仕事に就くことができます。

・理由を聞かれた場合は、「正直」に答えるのがおすすめ
契約を更新しない理由について聞かれたら、正直に答えるのがおすすめです。とはいえ、契約更新をしないことの選択は、派遣スタッフに認められた権利です。理由を答えづらい場合は、無回答でも問題はありません。

・メールではなく、直接伝える
もっとも誠意を示しやすい方法は、派遣会社の担当者に直接会って伝えることです、コロナ禍以降、それが難しい場合も増えてきましたが、なるべくメールだけで済ませないようにしましょう。電話で伝えるか、オンラインのビデオ通話などで直接伝える方法をおすすめします。

派遣の契約更新をしない場合の伝え方

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派遣の契約更新をしない場合、正直に理由を伝えるのが一番ではありますが、どのように答えたらいいのか、迷ってしまう場合もあるでしょう。派遣の契約更新をしない理由の答え方の例を紹介します。

・一身上の都合のため
幅広く使うことができる無難な回答です。ただし、「具体的な理由を言えないということは、派遣先企業で何か言いづらいトラブルでもあったのかな…」などと思われてしまうことがあるかもしれません。理由を明確に伝えたほうが、派遣会社からの信頼を失うことはないでしょう。

・家庭の都合のため
派遣会社の担当者は、派遣スタッフのプライベートを詮索することはできません。「家庭の都合」と回答すれば、詳しい理由を聞かれることはないでしょう。とはいえ事実を伝えないと、次のお仕事に影響が出ることもあるかもしれません。事実と異なる理由は避けたほうがいいでしょう。

・自身のスキルアップのため
派遣会社の担当者に好感を持たれやすく、プラスの印象を与えることができる理由です。どのようなスキルを伸ばしたいのかも合わせて伝えると、次のお仕事も紹介されやすくなるでしょう。

・他の業種にチャレンジしたい
ポジティブな印象を与えることができる理由です。他の業種に興味があることを伝えば、契約更新をしない意志を円満に伝えることができます。ただし、どんな業種にチャレンジしたいのかを聞かれる場合があります。実際に興味がある業種がない場合は、避けたほうがいいでしょう。

・正社員など他の雇用形態での就労を目指したい
正社員や契約社員など、他の雇用形態を希望していることを伝えれば、派遣会社の担当者も応援してくれるでしょう。最長6ヶ月勤務した後、派遣先の企業に直接雇用される「紹介予定派遣」や「正社員登用制度」を設けている派遣先企業を、次のお仕事として紹介してもらえることもあるかもしれません。具体的な業種・職種なども伝えることをおすすめします。

次の仕事はいつから探せる?

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派遣の契約更新をしない場合、いつから次のお仕事を探せるのかも気になるポイントではないでしょうか。「派遣の仕事」の場合と「派遣以外の雇用形態」の場合、それぞれ解説します。

派遣の仕事の場合

派遣の契約更新をしなかった場合でも、同じ派遣会社から新しいお仕事を紹介してもらうことができます。そのタイミングをできるだけ早くするためには、3つの大事なポイントがあります。

・契約更新の直前に更新を断る場合
契約更新の直前に更新を断ると、すぐに次のお仕事がすぐに見つからない場合があります。遅くとも契約更新の1ヶ月前までには、契約更新をしない意志を伝えましょう。早めに派遣会社の担当者に伝えることによって、次のお仕事も紹介されやすくなるでしょう。

・希望する条件が変わる場合や前職でトラブルを起こした場合
スキルアップや家庭の事情などで希望する条件を変える場合や、前職で無断欠勤や他の社員とトラブルを起こしてしまった場合は、次の派遣先企業が見つかるまで時間がかかる場合があります。このような場合も、できるだけ早く派遣会社の担当者に相談したほうがいいでしょう。

・派遣会社を変える場合
派遣会社を変えると、次のお仕事が見つかるまで時間がかかる場合があります。派遣先企業との契約更新をしなくても同じ派遣会社で新しいお仕事を紹介してもらうことは可能です。派遣会社を変えるかどうかよく考える、または早めに新しい派遣会社と契約したほうがいいでしょう。

派遣以外の雇用契約の場合

正社員や契約社員など、派遣以外の雇用契約を希望する場合は、「一般的な転職活動」と「紹介予定派遣」の2つの方法があります。それぞれについても知っておきましょう。

・一般的な転職活動の場合
求人サイトやハローワークなどを活用して転職活動をする場合は、いつでも仕事探しを始めることができます。ただし、就業時期が重なると、派遣会社や派遣先企業、転職先の企業にも迷惑をかけてしまいます。派遣の契約更新時期を踏まえて、転職活動をしたほうがいいでしょう。

・紹介予定派遣の場合
派遣スタッフを続けながら、正社員や契約社員など、他の雇用契約を目指す方法もあります。紹介予定派遣は、正社員や契約社員といった派遣先の直接雇用になることを前提に、最長で半年間、派遣として雇用契約を締結する働き方です。紹介予定派遣を希望する場合は、派遣会社の担当者に早めに意志を伝えておくか、契約更新のタイミングで相談するとよいでしょう。

紹介予定派遣については、以下の記事で詳しく解説しています。参考にしてみてください。
https://www.staffservice.co.jp/job/column/detail_111.html

まとめ

派遣の契約更新をしないことは、派遣スタッフの権利として法律で認められています。家庭の事情やスキルアップ、正社員や契約社員など、他の雇用形態を希望する場合は、派遣会社の担当者に正直に伝えたほうがいいでしょう。ただし、契約更新をしないことを伝えるタイミングや言い方には注意が必要です。次のお仕事に影響しないように、円満に伝えることをおすすめします。

ライター:鈴木にこ
求人メディアの編集者を経て、フリーランスとして活動中。派遣・新卒・転職メディアの編集協力、ビジネス・ライフスタイル関連の書籍や記事のライティングをおこなう。

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