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「仕事に行きたくない」会社に行きたくない理由や対処法について解説

「仕事に行きたくない」会社に行きたくない理由や対処法について解説

仕事をしていると「仕事に行きたくない」と思ったことはないでしょうか。この感情は特別なものではなく、誰しもが経験する可能性のある感情です。ただし、仕事に行きたくないと思う理由や対処法は、その人の特性や状況によって異なります。

仕事に行きたくない理由を把握し、適切な対処をすることが大切です。本記事では、仕事に行きたくないと思ったことがある人の割合や、そのような気持ちになる主な理由、対処法について解説します。
 

「仕事に行きたくない」と思ったことがある人は多い

「仕事に行きたくない」と思ったとき、経済的な理由や周囲の目が気になり、簡単に休めないと考えている人は多いでしょう。周囲が働いている中、休みたいと考える自分を責めてしまう人もいるかもしれません。しかし、仕事に行きたくないと考えることは、誰もが持つ感情であることがわかりました。

2023年に実施した厚生労働省の調査によると、仕事や職業生活で強いストレスや不安を感じていると回答した人の割合は53.3%でした。つまり、約半数の社会人が仕事で強いストレスを感じており、このようなネガティブな感情は誰もが持っているといえます。

そのため「仕事に行きたくない」と思ったからといって、自分を必要以上に責める必要はないのです。誰もが持つ感情であることを理解し、その感情を受け止めたうえで対処することが大切です。

参考:厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)_個人調査」(厚生労働省)
 

「仕事に行きたくない」と思う理由・原因

仕事に行きたくないと思う理由や原因は人によって異なるものの、主なものとして挙げられるのは以下の6つです。

●    職場の人間関係に悩みがある
●    休み明けに休日とのギャップを感じる
●    仕事で大きなプレッシャーを感じる
●    給与や評価に不満がある
●    仕事量が多い・忙しい
●    仕事にやりがいを感じられない

ここでは、それぞれの理由や原因について解説します。

職場の人間関係に悩みがある

仕事に行きたくないと思う理由として、職場の人間関係に悩みがあることが挙げられます。ひとりだけで完結できる仕事は少なく、多くの人が同僚や上司、顧客、取引先と接しながら仕事を進めているはずです。

しかし、接する人との相性が良くない場合、強いストレスを感じることがあります。上司や同僚からハラスメントを受けるケースも考えられます。異動や転職で新しい職場になった際に、周囲に馴染めない場合もストレスを感じるかもしれません。

職場の人間関係でストレスを受けた結果「今日もあの人に何か言われる」「陰で悪口を言われているかもしれない」と感じ、仕事に行きたくないと考えるのです。
 

休み明けに休日とのギャップを感じる

休み明けに休日とのギャップを感じることも、仕事に行きたくないと思う原因に挙げられます。休日は、趣味やリフレッシュなど、自分の時間を自由に使えます。しかし、休みが明けて仕事が始まると、決められたルールの中で行動しなければなりません。

自分の裁量に対するギャップにストレスを感じた結果、仕事に行きたくなくなります。特に長期休暇でリフレッシュした際や、旅行で非日常を経験したあとに、気持ちを切り替えられないケースやモチベーションが上がらないケースがあります。

仕事で大きなプレッシャーを感じる

仕事で大きなプレッシャーを感じることも、仕事に行きたくないと思う原因に挙げられます。大きなプロジェクトを任せられたり、初めての業務を担当したりする場合「失敗したらどうしよう」「自分にできるのか」といったプレッシャーを感じてしまいます。

特に、責任感が強い人や自分に自信が持てない人は、よりプレッシャーを感じてしまうかもしれません。過去に失敗してしまった経験がある場合も、プレッシャーを強く感じるでしょう。ミスを恐れる気持ちが大きなプレッシャーとなり、仕事に行きたくなくなるのです。

給与や評価に不満がある

給与や評価に不満がある場合も、仕事に行きたくないと考える原因になりえます。自分の仕事での成果に自信があるにもかかわらず、それが評価されない場合、仕事に対するモチベーションが保てなくなります。


評価されているにもかかわらず、給与が上がらない場合は、会社の将来に不安を覚えるでしょう。正しく評価されない場合や給与に反映されないケースが続いた場合、不信感が強くなり、仕事に行きたくなくなります。

仕事量が多い・忙しい

仕事量が多く忙しい場合も、仕事に行きたくないと考えてしまう原因のひとつです。このような状況に陥るケースとして考えられるのは、管理職と実務を兼任している場合や、能力の高さから周囲よりも多くの業務を任されている場合です。

業務量が多い場合、残業や休日出勤が増え、疲労がたまります。本来であれば休息に充てる時間も働いているため、疲労を回復させる時間もなく、心身ともに疲労が蓄積します。その結果、休息をとりたいという思いから仕事へのモチベーションが低下し、仕事に行きたくないと感じてしまうのです。

仕事にやりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられない場合も、仕事に行きたくなくなる原因のひとつです。特に、入社して2~3年後にそのような状況に陥るケースは少なくありません。入社前に思っていた業務とギャップを感じたり、そもそもやりたいと思う仕事ではなかったりした場合、やりがいを感じられず、モチベーションが上がらなくなります。

やりがいを感じられずに仕事を続けた結果、楽しさや充実感が得られず、仕事に行きたくないと考えてしまうのです。
 

「仕事に行きたくない」と思ったときの対処法

「仕事に行きたくない」会社に行きたくない理由や対処法について解説_3

仕事に行きたくないと思ったときの対処法には、以下の6つが挙げられます。

●    睡眠、健康的な食事、適度な運動をおこなう
●    客観的に自分の状況を考えてみる
●    友人、同僚、上司に相談してみる
●    リフレーミングをおこなう
●    仕事を休む
●    仕事のモチベーションが上がる方法を考える

ここでは、それぞれの対処法について解説します。

睡眠や健康的な食事、適度な運動をおこなう

仕事に行きたくないと思ったときは、生活習慣を見直しましょう。生活習慣が不規則な場合、自律神経が乱れ、ネガティブな感情を引き起こす場合があります。以下のように、睡眠や健康的な食事、適度な運動を意識して取り組むだけでも、ポジティブな気持ちになれるかもしれません。

睡眠:8時間以上の睡眠時間を確保する
食事:五大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)をバランス良く摂取する
運動:現在より10分多く体を動かす

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンを増やすことを意識することも大切です。セロトニンは、日光浴をしたりビタミンB6やマグネシウム、亜鉛を摂取したりすることにより分泌を促せます。また、厚生労働省からは、運動習慣のガイドライン「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が示されています。ガイドラインを参考に運動に取り組むと良いでしょう。

客観的に自分の状況を考えてみる

仕事に行きたくないと思ったときは、客観的に自分の状況を考えてみましょう。ノートや紙に、自分の強みや弱み、頑張ってきたことを書き出し、状況を整理します。自分の状況を整理することにより、自分を客観視でき、自分がネガティブな感情を持っている理由や原因がわかります。

客観視した結果、思いつめる必要がないと思う場合や、解決策が見つかる場合もあるかもしれません。頭だけで考えるのではなく、視覚化したうえで自分の状況を考えることが大切です。

友人や同僚、上司に相談してみる

友人や同僚、上司に相談することも、対処法のひとつです。ひとりで考え込んでいると、客観的な思考ができない場合があります。友人や同僚などの信頼できる人に相談することにより、自分の状況を整理できるケースがあります。新たな気づきを得られたり、話すことにより気持ちが晴れたりすることもあるかもしれません。

業務量や責任が負担になっている場合は上司に相談し、業務量の調整や業務内容を変更してもらうことにより、気持ちが楽になる場合もあります。苦手な人が職場にいることにより、強いストレスを感じる場合は、思い切って異動願を出してみるのもひとつの方法でしょう。

ひとりで抱え込まず、周囲に助けを求めることが大切です。
 

リフレーミングをおこなう

リフレーミングをおこなうことも、仕事に行きたくないと思ったときの対処法に挙げられます。リフレーミングとは、物事や出来事の捉え方を変えることにより、これまでとは異なる見方を得る思考技術です。

今は嫌な業務があったとしても「将来を考えると役に立つ」と考えることにより、頑張る気持ちがでてくるかもしれません。長期的な視点で捉え、ポジティブな捉え方に切り替えることがポイントです。
 

仕事を休む

仕事に行きたくないと思ったときは、思い切って仕事を休むことも必要です。周囲の目が気になり、休むことに抵抗を感じるかもしれません。しかし、このままストレスをため続けた場合、体を壊してしまう可能性も考えられます。

頭も体も仕事から離れ、リフレッシュすることにより、ネガティブな気持ちを解消できます。数日の休みでは気持ちが解消されないのであれば、休職を選択することもひとつです。医師の診断や休日日数といった条件を満たせば、傷病手当金を受給できる場合もありますので、収入面に不安を感じる方は確認してみるのもよいでしょう。

先の人生を良いものにするためにも、先行投資と捉え、仕事から離れることが大切です。

仕事のモチベーションが上がる方法を考える

自分なりに、仕事のモチベーションが上がる方法を考えることも、対処法のひとつです。「この日まで頑張ったらスイーツを食べよう」「週末は旅行に行こう」といった、仕事後の楽しみを計画すれば、モチベーションが上がることもあります。

仕事前に美味しい朝食を食べて、気分を上げてから仕事に向かうのも良いでしょう。自分なりのご褒美を計画することが、モチベーション向上につながります。
 

「仕事に行きたくない」と思ったときに避けるべき行動

「仕事に行きたくない」と思ったときに避けるべき行動として、以下の2つが挙げられます。

●    無断欠勤する
●    感情的に退職をしてしまう

ここでは、それぞれの行動に対する、避けるべき理由について解説します。
 

無断欠勤する

「仕事に行きたくない」と思ったときに避けるべき行動として「無断欠勤」が挙げられます。「仕事に行きたくない」という感情から、実際に仕事を休んでしまうことは悪いことではありません。しかし、会社に連絡せずに無断で休んだ場合、上司や同僚が心配をかけたり、業務が滞ってしまったりすることが考えられます。

また、無断欠勤は周囲から「責任感がない人」と思われてしまう可能性もあります。職場での周囲との関係性や評価にも影響があるかもしれません。欠勤連絡は、社会人として守るべきルールであることを忘れないようにしましょう。
 

感情的に退職をしてしまう

感情的に退職してしまうことも「仕事に行きたくない」と思ったときに避けるべき行動に挙げられます。仕事に行きたくない気持ちが高まった結果、退職したいと思うこともあるでしょう。しかし、転職先を決める前に感情的に退職してしまった後、納得できる転職先がすぐに見つかるとは限りません。

今の会社に入社した理由や、やりたいことがあるにもかかわらず妥協して転職した結果、再びストレスを感じて早期退職してしまう可能性も考えられます。何にストレスを感じているのかを整理し、解決できることなのかを検討したうえで判断しましょう。

ただし、どれだけ会社に残りたい理由があったとしても、我慢をしすぎることは危険です。我慢しすぎた結果、心身に異常をきたしてしまう可能性も考えられます。すぐに退職を決断するのではなく、まずは仕事から離れることを考え、長期休暇や休職制度を利用しましょう。

まとめ

「仕事に行きたくない」会社に行きたくない理由や対処法について解説_5

「仕事に行きたくない」という感情は多くの人が持つ感情です。仕事に行きたくないと思う主な理由や原因には、以下の6つが挙げられます。

●    職場の人間関係に悩みがある
●    休み明けに休日とのギャップを感じる
●    仕事で大きなプレッシャーを感じる
●    給与や評価に不満がある
●    仕事量が多い・忙しい
●    仕事にやりがいを感じられない

これらの状況は誰しもに起こりえることです。なぜ「仕事に行きたくない」と思うのかを理解し、受け止めたうえで対処する必要があります。ただし、強いストレスを感じているのにもかかわらず、我慢をしすぎてしまうのは危険です。

まずは仕事から離れ、気持ちを落ち着かせたうえで、今後の行動を検討しましょう。

 


《ライタープロフィール》
ライター:田仲ダイ
エンジニアリング会社でマネジメントや人事、採用といった経験を積んだのち、フリーランスのライターとして活動開始。現在はビジネスやメンタルヘルスの分野を中心に、幅広いジャンルで執筆を手掛けている。