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運動不足解消!デスクワークで座りながらできるカンタン筋トレ

運動不足解消!デスクワークで座りながらできるカンタン筋トレ

デスクワークは、椅子に座ったまま動かないことが多く、運動不足になりがちです。長時間のデスクワークは体への負担が大きく、同じ姿勢が何時間も続くと、エコノミークラス症候群や腰痛といった症状を引き起こすこともあります。そこで、デスクワークやテレワークで運動不足に悩んでいる人に向けて、座りながらできるカンタンな筋トレを紹介します。

コロナの影響で在宅勤務が増えて、一日3000歩未満が約3割に急増!

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世界保健機関(WHO)の研究では、日本人の3人に1人は運動不足という結果が発表されています。さらにコロナの影響で在宅勤務が増え、一日3000歩未満(※)が約3割に急増し、運動不足の人が増え続けている状況です(株式会社リンクアンドコミュニケーション調べ)。

(※)厚労省が、生活習慣の改善などについての目標として掲げている「健康21」では、一日の目標歩数を男性9,200歩、女性8,300歩としています。

運動不足チェック!

次のような症状が2つ以上あてはまるようであれば、運動不足の可能性があります。チェックしてみましょう。

□体を動かすことをおっくうに感じる
□寝起きから動き出すまで時間がかかる
□階段ではなくエレベーターやエスカレーターを使うことが多い
□少し階段を使っただけでも息切れしやすい
□少しの距離でも歩くとなると嫌になる
□夕方や夜になると疲れを感じやすい
□慢性的な疲れを感じる
□休日は家でごろごろしている日が多い
□しばらく体重を量っていない
□運動する時間を確保できていない

座りながらできるカンタン筋トレ(上半身編)

座りながらできるカンタン筋トレを上半身と下半身に分けて紹介します。運動不足、筋力が落ちていると感じている人は、休憩時間などに実施してみましょう。ただし、痛みや違和感があったら控えましょう。

体側伸ばし

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体側伸ばしは、椅子に座ったまま上半身だけを使います。左右それぞれの身体の側面を伸ばす筋トレですが、脇腹の筋肉も使うので、ウエストを引き締める効果もあります。

・両手を頭上で組み、背伸びの姿勢をする
・身体を伸ばした時に息を吸う
・息を吐きながら両腕を右側へ倒す
・限界まで倒したらそのままの姿勢をしばらく保つ
・同じように反対側もおこなう

胸の前で合掌

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両手のひらを合わせ、押し合うことで胸筋を鍛えることができる、とてもカンタンな筋トレです。一日の間に何回か取り入れていきましょう。バストアップの効果が期待できる筋トレとしても知られています。

・胸の前で手を合わせて合掌する
・両手で押し合い、数秒状態を保つ

頭の上で合掌

頭の上で合掌することで、肩にアプローチできます。上記の胸の上で合掌するポーズと同じでも、手の位置が変わればアプローチする筋肉も違ってきます。肩こりがひどい人におすすめで、猫背も改善が期待できます。

・胸の前で合掌、合掌したまま手を上に持ち上げる
・頭の上まで移動したら、そのまま何秒か状態を維持

ハンドグリップ

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ハンドグリップを握ることで、指の筋肉を鍛えることができます。そうすることで脳の神経伝達系が刺激されて手先が器用になるという研究結果があります。自分に合った負荷のハンドグリップを選んでおこなってみましょう。

・1セット30回を目安に一日3セット
※毎日する必要はありません。筋肉は休息を与えることで成長しやすくなります。

座りながらできるカンタン筋トレ(下半身編)

かかとの上げ下げ

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デスクワーク中でも、人の目を気にせず筋トレできるのが、かかとの上げ下げです。足首を動かすことで血流も良くなります。職場でも家でもやってみましょう。

・椅子に座ったまま、両脚のかかとを同時に上げて爪先立ちに
・かかとを床に下ろす
・ふくらはぎの筋肉を意識しながら、ゆっくりと10~20回続ける

膝をくっつけて座る

膝同士をピッタリくっつけるだけの筋トレです。普段使わない内ももの筋肉にアプローチするのでキツイと感じる人もいるでしょう。脚を組む癖がある人には身体のゆがみ防止にもなるのでおすすめです。

・椅子に座り、膝同士を離れないようにする
(そのままの姿勢をキープして仕事を続けてもOK)
・できる限り長い時間キープする

脚閉じアップ

座ったまま、腹筋にアプローチできる筋トレです。ただし、腰痛がひどい場合は無理せず別の筋トレを実践しましょう。

・椅子に浅めに座る
・両手は椅子の両端をつかむ
・両膝がくっつくように脚を閉じ、上がるところまでそのまま垂直に上げていく
・両膝を閉じたまま、ゆっくり元に戻す
・まずは10回3セットを目標に
※腹筋が慣れてきたら徐々に回数・セット数を増やします

両脚を伸ばしながらアップ

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腹筋+太ももの筋肉にアプローチできるのが、両脚を伸ばしながらアップさせる筋トレです。腹筋への負荷が増えるので、上記で紹介した脚閉じアップに慣れてからおこなうのがおすすめです。

・椅子に浅めに座る
・両手は椅子の両端をつかむ
・両脚を閉じ、脚は伸ばした状態で上がるところまでそのまま上げていく
・両脚を閉じたまま、ゆっくり元に戻す
・無理のない範囲で何度か繰り返し

運動不足の解消方法は日常生活の中にも

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「運動不足を解消しよう!」と、ストレッチ、ジョギング、水泳などのスポーツを思い浮かべる人が多いと思いますが、日常生活の中にも体を動かすことは多くあります。

運動+生活活動=身体活動

運動+生活活動=身体活動
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、日常生活を営む上で必要な労働や家事に伴う活動を「生活活動」として、「運動」と「生活活動」を含めた人が体を動かすことを総じて「身体活動」としています。そして、健康づくりのために必要なのは、運動指導ではなく、身体活動支援であると提言しています。

■「運動」とは
健康増進や体力向上、楽しみなどの意図を持って、余暇時間に計画的におこなわれる活動。
例:ジョギング、テニス、サッカー、速歩、ダンス、エアロビクスなど

■「生活活動」とは
日常生活を営む上で必要な労働や家事に伴う活動。
例:買い物、犬の散歩、通勤、床掃除、庭掃除、洗車、荷物運搬、子どもと遊ぶ、階段昇降雪かきなど。

身体活動量の基準と内容

つまり、運動不足だからといって、スポーツを始めることだけを意識するのではなく、日常生活の中で、どれだけ体を動かすかが健康づくりにとって大切ということです。「健康づくりのための身体活動基準2013」では、運動量を示す値として「METs(メッツ)」(※)が使われ、身体活動量の基準と内容をわかりやすく示しています。
(※)METs=安静時(横になったり、楽にしている状態)を1とし、それと比較して、何倍のエネルギーを消費するか…という値。

一日に必要な身体活動量とは?

それでは、一日にどれぐらいの体を動かしたらいいのでしょう。18~64歳を対象に設けられている「身体活動量の基準」と「運動量の基準」について紹介します。この2つの基準を満たすことを意識してみましょう。

■身体活動量の基準
3メッツ以上の身体活動(生活活動、または運動)を、23メッツ(時/週)おこないます。
※歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分以上。

3メッツ以上の生活活動の例
・掃除をする:3.3メッツ
・自転車に乗る:3.5~4.0メッツ
・早歩きをする:4.3~5.0メッツ
・子どもと活発に遊ぶ:5.8メッツ(ドッジボール、公園の遊戯具での遊びなど)
・階段を速く上る:8.8メッツ

■運動量の基準
運動については、3メッツ以上の運動を、4メッツ(時/週)おこないます。
※息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分

3メッツ以上の運動の例
・体操:18分(3.5メッツ)
・やや早歩き:16分(3.8メッツ)
・エアロビクス:9分(6.5メッツ)
・テニス:9分(7.0メッツ)
・ランニング(134m/分):6分(10.0メッツ)

まとめ

いかがでしたか?座りながらできる筋トレ法を紹介しましたが、運動不足解消は日常生活の中にもあります。職場でも自宅でも、長時間連続して座っていると、代謝が落ち、むくみや冷え症の原因にもなり、体調不良を引き起こすこともあります。デスクワークしながらでも、30分に1回、もしくは1時間に1回でも立つこともおすすめです。カンタンにできることから実践してみてください。

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