派遣に関する保険の知識

派遣スタッフの厚生年金

公的年金の1つである、厚生年金とは?

国が運営する公的年金は、国民年金・厚生年金・共済年金の3種類です。日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人は国民年金に加入することになっていて、これを基礎年金ともいいます。資格期間が25年以上ある人が65歳になった時に老齢基礎年金が支給されます(基礎年金のみ加入している人を第1号被保険者と呼びます)。
これに加え、民間のサラリーマンやOLは厚生年金に、公務員は共済年金に強制加入し、老齢厚生年金や退職共済年金が支給されます。厚生年金と共済年金は、基礎年金に上乗せされる年金でこれらに加入している人は国民年金にも加入することになります(第2号被保険者)。サラリーマンや公務員が生活の面倒を見ている配偶者も届出をすることで、国民年金に加入したことになります(第3号被保険者)。

厚生年金の加入要件は?

一定の加入要件を満たした方には、法律で厚生年金の加入が義務づけられています。
要件は雇用契約の内容や勤務実態によって定められ、従業員本人や、事業主の意思によって加入するかどうか、といった選択権は認められていません。スタッフサービスグループでは以下の要件を満たす場合、当社を通じて手続きをします。

1.原則として、1ヶ月の労働時間がおおむね120時間以上 かつ

2.契約期間が2ヶ月を超えていること


また、以下の要件を満たしている場合に厚生年金を含む社会保険を切れ目なく継続することができます。

1.スタッフサービスグループでのお仕事の終了時に、当社からの紹介で次のお仕事(1ヶ月以上の契約)の開始が確実に見込まれていること

2.次のお仕事の1ヶ月の労働時間がおおむね120時間であること

3.次のお仕事が1ヶ月以内に開始されること

みんなで支える年金

公的年金は貯金や私的年金(=民間が運営する年金)とは違い、現役世代が納めた保険料でお年寄りの人たちの生活を支える、世代と世代の支え合いの仕組みで成り立っています。これを「世代間扶養」といいます。
戦前の日本の社会では、長男が単独で相続する社会で、その代わりに長男が親の面倒をみるのが一般的でした。ところが戦後になって、封建的家族制度が崩壊して核家族化が進んだことや、少子高齢化などの社会構造の変化により、お年寄りが個人の貯蓄や子どもによる私的な扶養だけで、老後の生活をおくることが難しくなってきました。

そこで、社会全体のお年寄りの生活を支えていく意味で、公的年金制度ができました。働く現役世代は保険料や税金を負担し、老後になったらそのときの働く現役世代の負担する保険料から年金を受給するという考え方です。いわば、社会が作った親孝行の仕組みが公的年金の世代間扶養という考え方になります。

現在も進んでいる少子高齢化によって、際限なく年金負担額が増えていかないよう、国もお金を出しています。(平成21年度から基礎年金として支払われるお金の2分の1を国庫が負担)

年金制度に不安を感じる人に

年金の財政問題に加え、2007年に発覚した「消えた年金記録問題」、125万件もの情報が外部に流失したとされる2015年の問題など、度重なる失態により公的年金制度への不安が高まっていることは事実です。しかし公的年金制度には、大きなメリットがあります。
物価変動に対応して年金額が上がるためインフレリスクに対応できます。貨幣価値が下がるインフレに預貯金では対抗できません。不動産投資や株式投資はインフレ対策になりますが、しっかりとした知識が必要であり、元本を割り込む危険性もあります。
また納めた保険料は社会保険料控除の対象となるため所得税を節税できます。所得税の控除額が多くなればなるほど、課税額を計算するもとになる「課税所得額」が低くなるので、節税対策としても重要です
現在、昭和36年4月2日以降に生まれた男性と昭和41年4月2日以降に生まれた女性の年金支給開始年齢は、65歳です。ただ支給開始年齢を選択制で75歳まで広げる案が議論されています。アメリカやドイツなどが年金の支給開始を67歳に引き上げている状況を考えると、支給開始の引き上げの可能性は低くはないでしょう。ただ、そうであったとしても老後資金対策としてお得なのが、公的年金であることに変わりはありません。
また高齢者になったときに支払われる老齢年金だけではなく、障害者になった場合や一家の働き手を失った場合にも公的年金が給付されます。公的年金は万が一のときの備えとして、欠くことのできない制度といえるでしょう。