派遣社員と契約社員の働き方の特徴と自分に合った選び方のポイント

派遣社員と契約社員の働き方の特徴と自分に合った選び方のポイント

「これまでは派遣社員として働いてきたけれど、そろそろ他の雇用形態も考えたい」「派遣社員と契約社員それぞれのメリットを知って、自分に合っている方を選びたい」と考えている方のために、派遣社員・契約社員の違いとそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。

どちらも契約期間が定められているという点で共通していますが、働き方は大きく異なります。理想のライフスタイルや今後のキャリアプランに合わせ、派遣社員・契約社員どちらが自分に合っているか確認してみてはいかがでしょうか。

派遣社員と契約社員の違い

派遣社員と契約社員の働き方の特徴と自分に合った選び方のポイント_1

まずは、派遣社員と契約社員で異なる6つの項目の違いを解説します。

・雇用形態
派遣社員は雇用主が派遣会社、契約社員は就業先の会社が雇用主という違いがあります。給料の受け取りや福利厚生を受けられるのは雇用元であるため、派遣社員の場合は派遣先の福利厚生ではなく、派遣元である派遣会社の福利厚生などを確認するよう、注意してください。

派遣社員は派遣が決まってから派遣会社と雇用契約を結び、契約が終了したら雇用契約が終了となるため、働いている期間が雇用契約の期間となります。そのため、派遣先から派遣先へと隙間なく勤務をしていないと、いざ失業したときにも手当をもらえない可能性が高い点は注意が必要です。

契約社員は雇用先が就業先の会社であるため、勤務と勤務の間が空くことは考えにくいです。ただ、契約期間満了で更新がなく、契約終了となることは派遣社員同様考えられるため、その場合、次の勤務先を探す転職活動が必要です。

派遣社員の場合は派遣会社と新たな派遣先を検討できる可能性が高いですが、契約社員の場合はエージェントに登録するか自分自身で転職先を探すなど、能動的に動く必要があります。

・契約期間
派遣社員が同じ事業所で働く契約期間は最短で31日以上、最長3年となっています。これは、日雇い労働の原則禁止や、労働者派遣事業の適正な運営や派遣労働者の保護目的で定められています。

3年を過ぎる場合、派遣会社側から就業先での直接雇用切り替えの依頼をするか、新たな派遣先の紹介などが義務付けられています。

対して契約社員は最長3年ごとの契約更新があり、5年以上継続して勤務したうえで、本人からの申し出がある場合は無期雇用契約社員への切り替えが可能です。

・勤務時間
派遣社員は週3日~、1日5時間といったフレキシブルな勤務からフルタイムまでと働き方が幅広いのに対し、契約社員の場合は正社員同様フルタイム勤務をするのが基本です。

ただ、契約社員のなかには常勤と非常勤と契約が分かれており、非常勤の場合は派遣社員のような働き方が選べるケースもあります。

どのような形で働くかは企業によって必要な要件が異なるため、求人案件次第ではありますが、フルタイム勤務が難しい場合は派遣社員か非常勤の契約社員、フルタイム勤務がしたい場合は派遣社員のフルタイム案件、常勤の契約社員を選ぶのがおすすめです。

・仕事内容
仕事内容はそれぞれの求人案件によって異なりますが、一般的に派遣社員は契約で決まっている業務のみを担当します。契約社員の場合は、正社員とほぼ同等程度にさまざまな仕事を依頼されるケースがあります。

業務量をあまり増減させたくない場合は派遣社員、責任ある仕事もやっていきたいと考えているなら契約社員を選ぶと良いでしょう。

・給料
派遣社員も契約社員も正社員に比べて一般的に責任の程度が軽い仕事が多いため、給料は低い傾向にあります。給料は時給制月給制があり、派遣社員は時給制が多く、契約社員は時給・月給両方とも存在します。

どちらもスキルに応じて金額は上下しますが、派遣社員は業種や職種ごとにある程度範囲が決まっており、時給であるため働く時間によって総額の給料が変わります。また、契約社員は仕事の幅も広い傾向にあることもあって、派遣社員よりも高めの金額が設定されていることが多いです。

・福利厚生
こちらも、正社員に比べて受けられる福利厚生は少ない傾向にありますが、社会保険は条件を満たせばどちらの雇用形態でも適用されます。

派遣社員の場合はスキルアップをしてもらうことが派遣社員のキャリアアップ促進に役立つこと、派遣会社の売上にもつながることもあって、スキルアップのための豊富な研修が用意されています。

契約社員の場合は派遣社員よりも少し待遇が良く、正社員に近い傾向があり、住宅手当などの制度、研修制度などを用意している企業もあります。契約社員にどれだけ福利厚生を手厚くしているかは、その企業がどの程度契約社員を雇用しているかによって異なってくるため、雇用先となる企業の福利厚生をよく確認しておきましょう。

派遣社員の働き方の特徴

雇用主は派遣会社ですが、仕事の指示については派遣先から受けて働く形式です。そのため、毎日の業務は派遣先とのやりとり、働き方の相談などについては、派遣会社とやりとりするという2つのコミュニケーション先が生まれる点が契約社員との違いです。

働き方としてはプライベートを充実させたい方、仕事以外に子育てやその他やりたいことがあり、バランスを取りながら働きたいという方に向いています。

派遣社員のメリットとデメリット
次に、派遣社員として働く際に気になる、メリットとデメリットを紹介します。

メリット

・フレキシブルに働ける
メリットとしては、時間や場所、勤務の形式など、自分の条件に合うところを探してフレキシブルに働けるという点が挙げられます。育児、やりたいことなどと並行して働きたいから、週3日・1日5時間の勤務にしたいなど、条件面を重視して選べる点で利便性が高い働き方といえるでしょう。

しっかりスキルを持っている方であれば、フレキシブルに働けるなかでも良い条件の企業を紹介してもらえる可能性があります。

・多種多様な業界、プロジェクトに携われる
正社員として働くにはハードルが高い企業でも、派遣社員としてすぐに仕事ができる可能性もあります。幅広く業界を見たい、ピンポイントにこのプロジェクトに参画したいなどの要望がある場合、派遣社員として関わる方が経験を積む近道になるケースもあるでしょう。

・複数社を経験し、短期間で人脈や業界経験を得られる
派遣社員の場合、同じ企業への勤務が最長3年であること、契約期間が短期間であることを考えると、他の雇用形態に比べて短期間で人脈や業界経験を得られる点がメリットです。独立をするためにその業界周辺の人脈がほしい、あるいはその業界への転職を考えているが経験がなくて難しいなどの場合、派遣社員で仕事の経験を積む、短期間で人脈をつくるなども可能です。

デメリット

・常用派遣でない限りは雇用の保障がない
派遣社員の場合、契約更新なしとなれば新たな派遣先をまた探す必要があります。派遣会社が紹介してくれても自分の条件に合致する案件がなければ、しばらく勤務できずに過ごさなければならないなど、不安定な雇用状態に置かれる可能性があります。

また、企業の経済状況が悪化すると、スキルを持っていたとしても有期契約である派遣社員が一番に契約ストップとなる傾向にあるため、注意が必要です。これは正社員の解雇が簡単にできないことが影響していると考えられます。

・福利厚生が少ない
先に紹介しましたが、スキルアップ講座など以外の福利厚生に関しては正社員や契約社員に比べて少なくなるため、福利厚生が少ないと感じるシーンは多いでしょう。

・キャリアアップの道に制限がある
契約している以外の業務ができないため、途中から興味を持って関わりたいと感じた仕事であっても、範囲外の仕事に関わることはできません。また、派遣社員は雇用元が派遣会社であるため派遣先で実績をあげたとしても、直接雇用のように勝手に昇給・昇格などはされません。派遣会社に対して給料交渉をする必要があります。

契約社員の働き方の特徴

派遣社員と契約社員の働き方の特徴と自分に合った選び方のポイント_3

契約社員は正社員に近しい働き方ですが、転勤がなく、雇用契約が有期である点に大きな違いがあります。企業の方針によりますが、待遇はほぼ正社員と同等で違うのは転勤がない点のみというケースから、あくまで契約社員として正社員と区別した業務を担当するよう命じられるケースもあります。

契約社員は派遣社員のように契約した業務内容しかできないというルールもないため、1社だけでも幅広い業務を経験できる可能性がある点も魅力です。

自分がどういった働き方を希望しているのかを改めて考え、キャリアアップしていきたいのか、他のやりたいこととの両立を重視したいのかによって、適した企業を選ぶといいでしょう。

契約社員のメリットとデメリット
次に、契約社員として働くメリット・デメリットを紹介します。

メリット

・給料が比較的高い
企業によってはボーナスの支給や昇給、昇格ができるなどのメリットもあります。金額の決まり方は企業によって異なるため、よく確認しておく必要がありますが、正社員と遜色ない給料をもらえるケースもあります。

・正社員に近い権限を持って働ける
これも企業によりますが、正社員とほぼ同等の権限を持ってプロジェクトや仕事に関われるため、その実績を買われてそのまま正社員に登用されるケースもあります。企業によって登用の基準も異なるため、将来的に登用されたいと考えているなら、事前に確認しておくことをおすすめします。

・研修制度などスキル向上の機会が得られる
こちらも企業によりますが、契約社員への研修制度が手厚い、普段のコミュニケーションでも上司が育成を意識して会話をするなど、契約社員の育成に力を入れている企業もあります。特に大人数契約社員を抱えており、直接的な戦力になっている場合は、その傾向が見られるでしょう。

契約社員を将来的に正社員登用したい、正社員と同等の権限を持って働いてほしいと考えている企業などは育成や待遇についても好条件を出すことが多いため、求人案件の内容をよく確認し、自分が希望する働き方ができるかどうかを見極めましょう。

デメリット

・雇用が不安定
契約社員も有期雇用ではあるため、最長5年間を過ぎるまでは契約終了の可能性がある点はデメリットです。派遣ほどではありませんが、継続がなくすぐに仕事を探さなければならない点は同様です。将来的に正社員登用を目指している場合は、まず登用の実績を確認してみましょう。

・正社員に比べて受けられる福利厚生が少ない
派遣社員に比べると比較的福利厚生が手厚い契約社員ですが、正社員と比べると少ない傾向にあるため、デメリットとして挙げています。

・正社員に比べ昇給、昇格のチャンスが少ない
派遣社員に比べると昇給・昇格のチャンスは多いですが、正社員に比べると昇給・昇格のチャンスが少ない点はデメリットといえます。チャンスの多さは企業によって異なるため、入社前に活躍している契約社員が、現在どのような仕事を任せられているかを確認してみると、その企業での契約社員の待遇が判断しやすくなるでしょう。

契約社員が向いている人

派遣社員と契約社員で迷っている方のために、契約社員の方が向いている人の特徴を紹介します。

・キャリアアップ志向がある
キャリアアップしたい、ゆくゆくは正社員になりたいという志向がある方は、派遣社員ではなく契約社員として働くことをおすすめします。契約社員は企業の選び方によって得られる権限も異なってくるため、キャリアアップ志向の度合いに合わせて、仕事を選ぶと希望に合った働き方ができるはずです。

・安定的に高い給料を得たい
派遣よりも安定的に高い給料を得たい方は、契約社員の方が向いています。派遣よりも契約期間が長く、半年~1年という単位で契約をすることも多いため、安定して高い給料を得られます。

派遣社員が向いている人

対して派遣社員が向いている人は下記2点のどちらか、または両方に当てはまる人です。

・仕事とプライベートを両立させたい
フルタイムでもできるだけ残業なしで働きたい、あるいは1日◯時間など短い時間や週◯日など限定的な働き方をして仕事とプライベートを両立したい場合は、派遣社員の働き方がおすすめです。

・決まった業務だけ担当したい
いろいろと業務を任せられるよりも、決まった業務をコツコツとこなすことにやりがいを感じるタイプの方は、派遣の働き方が向いています。アルバイトや契約社員など他の雇用形態では限定的な働き方を実現できない場合もあるため、本当に決まった業務だけを希望するなら、派遣社員の働き方が理想的です。

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この記事で契約社員にも興味を持ったという方は、ぜひ一度ご覧になってみてください。

まとめ

働き方の違いがあまりわからない方も多い派遣社員と契約社員の違い、メリット・デメリットについてまとめて紹介しました。派遣社員も契約社員もそれぞれメリット・デメリットがあるため、仕事とプライベートのバランスのとり方、仕事内容の好みなどが自分に合う方を選んで、理想の毎日が送れるように希望の企業に応募してみてください。

派遣社員から契約社員への切り替えを考えている方、派遣社員としてキャリアを重ねていきたいと考えている方も、数多くの案件を扱うスタッフサービスなら理想の仕事を見つけられるはずです。ぜひ一度求人検索をして、好みに合う案件を探してみてはいかがでしょうか。

ライター:高下真美
新卒で人材派遣、人材紹介企業に入社し、人事・総務・営業・コーディネーターに従事。その後株式会社リクルートジョブズ(現・株式会社リクルート)に転職し、営業として8年勤務後、HR系ライターとしてフリーランスへ転身。現在は派遣・人材紹介・人事系メディアでの執筆、企業の採用ホームページの取材・執筆の他、企業の人事・営業コンサルタントとして活動中。

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