派遣社員とパートの違いとは?

派遣社員とパートの違いとは?

派遣社員かパートのどちらで働こうか迷ったときに気になるのは、働きやすさや待遇、それぞれのメリット・デメリットではないでしょうか。本記事では派遣社員とパートの働き方、待遇面の違い、メリット・デメリットをまとめて紹介します。

次の仕事を生活と両立できるか検討する際には、ぜひ参考にしてみてください。

派遣社員とパートの違い

派遣社員とパートの違いとは?_1

派遣社員とパートで異なる、代表的な5項目を紹介します。違いをよく理解した上で、自分に合う働き方を選んでみてください。

雇用契約

派遣社員は派遣先から業務に関する指示を受けて働きますが、雇用契約を結ぶのは派遣会社で、派遣先とは契約を結びません。その仕事の業種や職種にもよりますが、フルタイム勤務が多い傾向にあります。なかには週◯日、1日◯時間~という勤務もあるため、働き方はさまざまです。

派遣社員の契約期間は無期雇用派遣の求人でない限り、有期で3か月~半年程度が多く、さらに長期で働く場合は、有期雇用契約を更新していく形が一般的です。

一方、パートは直接雇用となるため、就業先と雇用契約を結んで働きます。パートの場合は期間の定めがなく、その企業が求める働き方や人・業務によって「週◯日、1日◯時間~勤務」など、条件が異なることもあります。

福利厚生

派遣社員の場合、雇用元は派遣会社ですので、派遣会社の福利厚生を確認するよう注意しましょう。雇用元が派遣会社であるため、正社員以外の福利厚生と比べてスキルアップや資格取得支援など、キャリアアップにつながる福利厚生は充実している傾向にあります。

また、派遣社員の場合、多くは派遣期間と雇用期間が一致しているため、派遣されている期間は福利厚生が受けられますが、派遣されていない期間は福利厚生が受けられなくなる点に注意が必要です。

パートの場合、就業先が雇用元であるため、福利厚生も就業先のものが適用となります。しかし、正社員とパートでは適用となる範囲が異なるケースも多く、パートが受けられる福利厚生は少ない傾向にあります。

給与形態

派遣の場合は時給制が多いですが、最近は月給制のフルタイム求人も増えてきています。求人によって給与形態が異なることも多いため、内容を確認して応募するようにしましょう。パートの場合は、時給制が一般的です。

働き方や働く時間

派遣社員の場合は週◯日、1日◯時間~という働き方の場合でも曜日・時間固定の傾向が強く、フルタイムの求人も多くあります。求人によって条件が異なるため、求める働き方をよく考えてから応募することをおすすめします。

一方、パートの場合、週◯日、1日◯時間~という契約を結びますが、企業によって毎月シフトを提出して働く形と、曜日や時間を固定して働く形の2パターンがあります。

必要なスキル、能力

パートの場合は、特別なスキルが求められることは多くありません。基本的には正社員から指示を受けて働く、マニュアルを読んで働く形式が一般的です。

派遣社員の場合は、企業が派遣会社に「◯◯のスキルを持った方、◯◯経験◯年以上」などの条件を提出しています。その条件に当てはまる方を派遣することが決まっているため、必要なスキルや能力は確定しています。

パートで働くメリットとデメリット

条件面は把握できたけれど、実際にパートや派遣社員として働くメリット・デメリットを知りたい人のために、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

・シフトの融通が利きやすい
企業によりますが、派遣社員に比べてシフトの融通が利きやすい点はメリットです。プライベートの趣味や家庭・家事との両立もしやすいため、働きやすさを感じる人も多くいるのではないでしょうか。

・居住地の近くで仕事を探せる
企業がパートの募集をする際は、「できるだけ近くに住んでいる人に来てほしい」と考えている傾向があります。そのため、居住地の近くで仕事を探しやすい点もメリットといえるでしょう。また、通勤時間の短さは働きやすさにも繋がります。

・簡単な仕事が多い
「未経験OK」などの謳い文句を求人でもよく見かけるように、パートの仕事は派遣社員の仕事に比べて専門性が要求されない仕事が多い傾向があります。そのため、応募資格などを考えずに働ける点も大きなメリットになるでしょう。

・扶養内で働くこともできる
パートの場合はフルタイムではない求人も多いため、家族の扶養内で働くという選択肢もあります。税金の負担を軽くしながら、社会との接点、働く経験が得られる点もメリットといえるでしょう。

・契約期間がないので、長く働くこともできる
パートの場合、契約期間がなく、比較的長く働いてほしいと思っている企業も多い傾向にあるため、条件さえ合致すれば長く働くことも可能です。

デメリット

・派遣社員の仕事に比べて時給が低い傾向にある
企業やその求人によっても時給は異なりますが、スキルが求められる派遣社員の仕事に比べ、時給が低く設定される傾向が見て取れます。融通が利きやすく未経験でも可能な仕事である点が、時給と引き換えになっている可能性があります。

・収入が安定しないこともある
パート先の人員が多くてシフトに入れない、従来よりもシフトに入る時間数を減らされたなどで収入が安定しないこともあります。正社員が増えた、パートやアルバイトの人数が増えたなどの影響を受けやすい働き方ともいえるでしょう。

・自分で仕事を探す必要がある
派遣社員であれば派遣会社から求人の紹介を受けられますが、パートの場合は自分自身で求人を探して応募する必要があります。日程調整や選考途中のやり取りを、すべて自分自身で行わなければなりません。

・トラブルは自ら解決する必要がある
同様に派遣会社などが間に立ってくれないため、ハラスメントや何かしらのトラブルがあった場合、自分自身で解決する必要があります。

総合すると、自身の都合を優先して働けるため、プライベートを優先した働き方、掛け持ちが可能などのメリットがあります。しかしその反面、時給の低さ、収入が不安定になる可能性、個人でトラブルに対応する必要性があるなどのデメリットがあります。

派遣社員で働くメリット

派遣社員とパートの違いとは?_3

どちらの雇用形態で働こうか迷っている方に向け、パートと比較してどんなメリット・デメリットがあるのかを紹介します。

メリット

・大企業や有名企業で働くこともできる
正社員やパートなどでは勤務するチャンスがあまりない大企業・有名企業も、派遣社員を募集することはよくあることです。そのため、派遣社員としてその企業に入って働き方や社風を経験するなど、派遣社員という働き方を活用したキャリアを考えることもできます。

・パートと比べると、時給相場が高い傾向にある
パートに比べて求められるスキルや能力がある分、派遣社員の仕事は時給相場が高い傾向にあります。今後時給アップを望むのであれば、派遣の求人で自分が持っているスキルだとどの程度の時給になるのかを確認してみるといいでしょう。

・スキルアップ、キャリアアップにつながる
派遣会社も登録してくれている派遣社員がスキルアップしてくれれば、派遣できる先が増えるため、メリットが大きいです。そのため、派遣会社は、登録派遣社員のスキルアップ・キャリアアップのサポートとその把握にも力を入れています。

こうした制度をうまく活用していけば、派遣社員として働きながらのスキルアップ・キャリアアップも十分可能です。

・仕事探しやトラブル発生時は、派遣会社が対応してくれる
派遣会社が雇用元となるため、就業先でトラブルがあった場合や仕事探しについても派遣会社が対応してくれる点はメリットです。

デメリット

・派遣のまま同じ職場で長く働くことはできない
派遣社員としては同じ職場で3年以上働けないため、直接雇用に切り替えるか別の派遣先に行くか2つのうち1つを選ぶ必要があります。派遣として長く働けない点を、デメリットと捉える人もいるでしょう。

・派遣会社によって待遇が異なる
派遣会社によって、待遇や福利厚生が異なるため、派遣会社に魅力的な福利厚生が受けられる派遣求人がない、あるいはその派遣会社に魅力的な福利厚生がない場合は、満足の行く福利厚生を受けられない可能性があります。

・自分のスキルや経験に合った仕事がないこともある
派遣会社や時期によって異なりますが、自分のスキル・経験に合致する仕事がないケースもあります。そのため、仕事と仕事の間が空いてしまう場合があることは理解して働く必要があるでしょう。

派遣社員はパートの仕事に比べて、雇用元となる派遣会社がスキルアップ・キャリアアップに力を入れているため、うまく活用すれば働きながらのスキルアップ・キャリアアップが可能です。キャリアアップをしたいと考えているのであれば、派遣社員を選ぶと良いでしょう。

パートタイム派遣とは?

第3の働き方として、パートタイム派遣という選択肢を選ぶことも可能です。パートと派遣社員それぞれのメリットを併せた働き方として、近年注目を集める働き方です。

フルタイム勤務は難しいけれど、条件に合う求人を派遣会社に紹介してもらいたい、時給が高い派遣の仕事がしたいという方にはおすすめの働き方です。

パートのメリットにも挙げた扶養内で働ける・プライベートと両立しやすい点が加わる働き方であるため、その点をメリットに感じる人も多いのではないでしょうか。

また、今はフルタイムが難しいけれど、ゆくゆくはフルタイムで働き、正社員への足がかりとしたい場合にも活用できる働き方です。

まとめ

パートと派遣社員の働き方や待遇の違い、それぞれのメリット・デメリットを紹介しました。「次の働き方は、パートと派遣社員どちらがいいだろう」、「今後正社員を目指したいけれど、近づける働き方はないのかな」などと悩んでいる方は、本記事でそれぞれのメリット・デメリットを確認し、自分のキャリアプランに合う方法を選んでみてはいかがでしょうか。
 



<ライタープロフィール>
高下 真美

新卒で人材派遣、人材紹介企業に入社し、人事総務営業コーディネーターに従事。その後株式会社リクルートジョブズ(現株式会社リクルート)に転職し、営業として8年勤務後、HR系ライターとしてフリーランスへ転身。現在は派遣人材紹介人事系メディアでの執筆、企業の採用ホームページの取材執筆の他、企業の人事営業コンサルタントとして活動中。

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