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モチベーションやエンゲージメント向上も! 有意義な朝礼のポイント

モチベーションやエンゲージメント向上も! 有意義な朝礼のポイント

朝礼では情報共有や挨拶だけでなく、日替わりのスピーチなど、企業によってその内容はさまざまです。中には、朝礼の意味が見いだせなかったり、慣れないスピーチで朝から憂うつになっている社員がいる可能性があります。

時間の無駄と判断し、朝礼を廃止する企業もある反面、朝礼にはメリットもあります。今回は、あらためて朝礼の意味や目的を振り返るとともに、朝礼を有意義にするポイントを解説します。

朝礼の目的と意味

モチベーションやエンゲージメント向上も! 有意義な朝礼のポイント_1

本来の朝礼の目的は、主に以下の3つです。

1.情報共有やコミュニケーション促進

同じ業務に携わっていても、チームのメンバーによって共有できている情報に差が生じる場合があります。朝礼で情報共有がされることで、どのメンバーにも等しく情報が行き渡ることが期待されています。

また、一部の企業ではコミュニケーション促進のため、朝礼の終わりにペアを組み、テーマをもとにした1分間インタビューがおこなわれています。相手との触れ合いからチーム・仲間としての一体感が増す、気恥ずかしさを乗り越えてコミュニケーションが良好になるといった効果が報告されているようです。

さらにスピーチをおこなうと、普段の業務では関わらない社員の人となりを知ることができる、話題をきっかけに会話が生まれるなどコミュニケーションが生まれることもあります。

2.モチベーションアップ

朝礼は、社員の教育により良い効果をもたらす可能性があります。社長や上長が模範的な行動や考えをスピーチで示すことで、社員としてあるべき姿を理解し、モチベーションアップにつながります。

また、高い業績を上げた社員に対し、朝礼の場で表彰をおこなうことも重要です。社員の前で評価されるため、社員ひとりひとりのモチベーションアップが期待できます。

3.エンゲージメントの向上

平成30年に内閣府が16~29際の男女(有効回答数10,000)を対象におこなった調査によれば、転職に対して「自分の能力や適性に合わない職場」に対して「転職は絶対すべきではない」「転職はできる限りしない方がよい」と考える人は全体の17.3%であることが明らかになりました。その一方で「転職もやむをえない」「転職する方がよい」「転職をするべきである」と考える割合は72.1%と、若年層の間では転職に肯定的な意見を持つことが一般的になりつつあります。

その背景には、エンゲージメント(仕事に対してのポジティブで充実した心理状態)の低下が関わっているとされています。自分の働く企業にポジティブなイメージが持てず、働く意義や目的を失った若年層が、転職を検討するのも自然な流れといっても過言ではないでしょう。

だからこそ、朝礼で企業のビジョンや理念を示し、エンゲージメント向上に努めることは必須です。

朝礼のメリット

有意義な朝礼は、社員にさまざまなメリットをもたらします。

目的の明瞭化

日々勤務していると、目標の達成率が見えにくくなりがちです。朝礼によってあらためて目標と達成率を確認し、どのような方向で業務を続けるべきかを参加者が意識できます。また、マネジメントを担当する社員は、人員の過不足を確認し、適宜対応することも可能です。

傾聴力・スピーチ力のアップ

朝礼は人前で話す機会を設ける意味でも有効です。持ち回りで社員が短いスピーチをする朝礼は、大人数の前で話す機会を得られるため、人前でのスピーチにおける苦手意識の克服やスピーチ力のアップにつながります。

一方で、誰かのスピーチを聞くことで人を惹きつける話し方や話題の選び方を学ぼうとする姿勢が身につき、傾聴力を養えます。

オンオフの切り替え

出勤してまず朝礼をおこなうことで、勤務に関する気持ちの切り替えができます。全社規模のテレワークを導入した後も朝礼をオンラインでおこない、勤務に対する姿勢作りを徹底している企業もあります。

朝礼のデメリット

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朝礼は内容や実施方法によってはデメリットも生じやすく、廃止を希望する意見も上がることも少なくありません。では、朝礼のデメリットとはどのようなものなのでしょうか。

時間の拘束

当然ながら、朝礼中は、業務を進めることができません。1日のうちで集中力や気力が高い早朝を朝礼で費やしてしまうことも、朝礼のデメリットといえるでしょう。

そのため、朝礼はできる限り手早く終了できるようにする必要があります。伝える内容に優先順位をつけ、その場で伝えなくても問題ない情報はチャットツールや社内SNSを使うようにしましょう。

モチベーションの低下

役職者やベテラン社員ほど、朝礼の場で意味のないスピーチや厳しい叱咤激励をしてしまう事態に陥る傾向にあります。そのような事態は若い社員のモチベーション低下を招き、朝礼の効果を著しく下げてしまうことも考えられます。

また、離職率が高かった企業では、社長が全社員に対し目標を達成していない事態を強く批判する、朝から大きい声で社訓を読ませ、声が小さい社員は何度もやり直しをさせるといった朝礼がおこなわれていました。出勤直後にモチベーションが下がるネガティブな朝礼をしてしまえば、朝礼そのものが憂うつとなることも避けられないでしょう。

そのため、朝礼では事前にポジティブな話題を選び、良い方向で社員のモチベーションを刺激できるよう、注意が必要です。外部からのクレームなどネガティブな情報共有は避けられませんが、なるべく1日のスタートである朝礼で触れず、前日のうちに共有するよう心がけましょう。

朝礼の形骸化

朝礼を続けることに重きが置かれ、内容が薄くなってしまえば朝礼の意味がありません。似たような話が続く、単調な朝礼は時間の無駄にもつながります。

「業績アップにつなげたい」「コミュニケーションを活発にしたい」など、朝礼の目的を決めるほか、簡単なレクリエーションの導入やスピーチのテーマ決めなど、単調になりがちな朝礼を変えるための施策を取り入れることを意識しましょう。

朝礼を成功させるためのポイント

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朝礼を成功させるためには、気をつけるべきポイントを押さえておかなければなりません。以下のようなポイントを意識し、より良い朝礼となるよう心がけていきましょう。

スピーチと司会の設定

朝礼のマンネリ化を防ぐため、スピーチと司会は持ち回りでおこなうのが最適です。

一方的に話をされるだけの朝礼の場合、社員は惰性で参加し、連絡事項も聞き流すようになってしまいます。自分がいずれ司会をする・スピーチを行うことがわかっていれば、どのような形で進行するのが良いかを見たり、スピーチの話題探しをしたりと緊張感を持って参加するようになります。

また、スピーチは1~3分と短時間にする、話題をあらかじめ設定するといったルールを設けましょう。朝礼が間延びしてしまうことを防ぐとともに、ある程度テーマが設定されていることで登壇者の負担を軽減できます。

リアクション

朝礼でのスピーチ後には、参加者に拍手を送るような呼びかけをおこないましょう。担当者だけでなく、スピーチが不得意な人にとっては、リアクションの有無が「次も頑張ろう」という動機付けに大きく関わっています。

タイムキーパー

特に週明けの月曜日や月初など、全体連絡で伝えるべき話題が多くなってしまうタイミングもあります。そこからさらにスピーチなども加えると、想定していた朝礼の時間を過ぎるかもしれません。

朝礼が必要以上に長引けば、業務を始める時間が遅くなってしまいます。あらかじめ朝礼が始まる前に司会者には最低限するべき項目を伝えておく、次回でも問題ない話題を飛ばすなど、臨機応変に内容を変える必要があります。同時に、スピーチが長引きそうであれば司会者にタイムキーパーを任せるのも良いでしょう。

夕礼

朝礼で伝えきれない話題が多い際は、別途定時前に夕礼で共有する方法もあります。夕礼は勤務時間の終わりを明確化することで帰りやすい雰囲気を作るほか、業務の漏れを洗い出すこともできます。

まとめ

内容が充実している朝礼は、社員が生き生きと働くきっかけとして有効です。社員それぞれの朝の貴重な時間を使って実施するからこそ、正しく、意味のある朝礼を実施し、日々の生産性向上や業績アップにつなげられるように努めていきましょう。