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自分にも他人にもウソをつかない!仕事で役立つ「自分ファースト実践法」

自分にも他人にもウソをつかない!仕事で役立つ「自分ファースト実践法」

「自分ファースト」は、自分勝手、わがまま、自己中といったイメージがあり、一般的にはネガティブな意味で使われることが多い言葉です。でも、自分の考えや価値観を大事にして、積極的に行動するのは決して悪いことではありません。仕事や職場の人間関係で悩んでいる人にとっては、むしろ参考にすべき点が多いかもしれません。そこで今回は、仕事で役立つ「自分ファースト実践法」を紹介します。

仕事で役立つ「自分ファースト実践法」

自分にも他人にもウソをつかない!仕事で役立つ「自分ファースト実践法」_1

自分ファーストとは、自分の価値観・情熱・本能を最優先にして生きることです。「自分と他人、どちらを優先するか」ということであって、「自分さえ良ければ他人はどうでもいい」という、単なる自分勝手とは違います。自分ファーストな姿勢や行動は、仕事においても高く評価される場合があります。その具体例を見てみましょう。

自分から積極的に意見を発信する

会議やミーティングで、みずから進んで意見を言う人と、周囲の意見にただうなずくだけの人、どちらが仕事のできる人だと思いますか? 当然、みずから意見を言う人ですよね。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った2019年度「新入社員意識調査」によると、新入社員が社会人としての自分に自信があるものの1位は「協調性」、欠けているものの1位は「積極性」でした。これは新入社員に限った話ではないはずです。周囲に協調することはできても、みずから積極的に意見を言える人は多くありません。自分の意見や価値観をアピールできる「自分ファースト」な姿勢は、高く評価されます。

指示がなくても自分から動く

仕事をするうえで大切なのは、与えられている役割を果たすことです。しかし、指揮命令者から指示される内容はさまざまです。事細かに段取りまで指示されているものもあれば、要点だけを伝える簡潔なものもあります。「どうすればよいかわからない?」そんな時、やるべきことを自分で考え、上司や先輩に確認を取り、みずから率先して動くことが必要になります。これからの時代、特に必要になってくるのは、そんな「自分ファースト」な働き方といえるでしょう。言われたことしかできず、指示をされるまで自分からは動けない。あなたもそんな働き方になっていませんか?

「できないこと」はできないと言う

いくつも仕事を抱えているのに、頼まれると断れない。これは仕事ができない人の特徴のひとつです。自分ファーストな人は、できないことは「できません」とハッキリと伝えます。あるいは、自分の状況を伝えて「その日までは無理ですが、この日までならできます」と交渉します。断るのは勇気のいることですが、それによってミスをしたり、締め切りを守れなかったりすると、さらに多くの人に迷惑をかけてしまいます。「できることはできる」「できないことはできない」、それを明示するのも大事なことです。

「やりたいこと」は率先して手を挙げる

キャリアの浅い新人は、上司や先輩に言われたことをしっかりこなす「協調性」が求められますが、ある程度仕事を覚えたら、みずから考え動く、「主体性」が必要になります。自分ファーストな人は、「やりたいこと」に率先して手を挙げます。あるいは、みずから提案して自発的に行動に移します。もちろん責任も伴いますが、成功したときは最高の喜びを得ることができます。やりたいことは、待っているだけではできません。自分の価値観・情熱・本能に忠実に生きることによって、仕事がより楽しく充実します。

人間関係で役立つ「自分ファースト実践法」

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職場の「人間関係」は、働く人たちの大きな悩みのひとつです。周囲に気を遣いすぎて仕事よりも疲れてしまう。そんな人も多いでしょう。チームワークも大切ですが、メンタルヘルス対策も重要です。「自分ファースト」な生き方から学んでみましょう。

嫌いな人とはガマンして付き合わない

苦手な人や合わない人は、どの職場にもいます。無理して付き合っても、イライラしてストレスがたまるばかりです。職場は友達をつくる場所ではありません。苦手な相手には、自分ファーストでビジネスライクに接しましょう。挨拶と仕事の話は、きちんとする。これさえ守っていれば、何の問題もありません。「敬して遠ざける」ことも覚えておきましょう。

行きたくない飲み会には行かない

コロナ禍で機会は減りましたが、「会社の飲み会には行きたくない」と思っている人は多いでしょう。行きたくなければ、自分ファーストで対応するのもひとつの手です。
「家庭の事情で参加できません」「夜は英会話教室がありまして」などと理由を伝え、「今度ランチどうですか?」などと代案を提示すれば、悪い印象は与えません。職場のコミュニケーションも大事ですが、それができるのは飲み会だけでありません。

セクハラ・パワハラは断固抗議

セクハラやパワハラなど職場で不快やストレスに感じることがあったら、上司や周囲に気を使ってガマンする必要はありません。企業にはハラスメントを防止する義務があります。ハラスメントの加害者は、刑事罰などの法的責任を問われる場合もあります。
ハラスメントの被害に遭ったら、証拠や証言を集め、上司に相談しましょう。上司が加害者だった場合は、上司の上司や人事部、社内の相談窓口、労働局や社外の相談窓口などに報告しましょう。自分ファーストは、自分自身を守る方法でもあるのです。

職場を快適にする「自分ファースト実践法」

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職場の悩みは、人間関係だけではないですよね。オフィスが暑すぎる、寒すぎる。トイレが汚い、臭いなど。そんな悩みも、自分ファーストで解決できます。従業員を雇用する経営者は、「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに「快適な職場環境を形成すること」が労働安全衛生法の努力義務として定められているのです。

「暑い」「寒い」は素直に言う

オフィスが暑すぎたり、寒すぎたりしたら、上司に相談してみましょう。職場環境とは、上司や部下などの人間関係をはじめ、オフィスの温度や照明、疲労やストレスを癒やせる場所、食堂やトイレなど、仕事をするうえで従業員を取り巻く、あらゆる環境のことを指します。こうした相談によって空調機器を取り換えたり、サーキュレーターを購入して風向きを変えたり、ネックウォーマーの使用を許可した会社もあります。

不潔なトイレもガマンしない

洗面所やトイレが汚かったり、臭かったりしたら、働く人にとってかなりのストレスになります。このような場合も相談してみるといいでしょう。トイレ清掃を外部に委託したり、自動洗浄設備を取り付けたり、快適な環境にした会社は多くあります。現在は、国も会社も「働き方改革」を推進しています。働きやすい環境づくりは、自分ファーストな人の一言から始まるケースが多いのです。

ストレスの原因は上司に相談

厚生労働省が発表した「令和2年 労働安全衛生調査」によると、現在の仕事や職業生活に関することで強い不安やストレスを感じている人は54.2%にのぼります。温度やトイレ、人間関係など、ストレスの原因は多岐にわたります。ストレスを感じていても、多くの人はなかなか口に出せないものです。気になることは上司に相談してみましょう。自分ファーストな人がそれらを口にすることで、改善のきっかけとなり、多くの人のストレスも解消できます。「自分のため」は「他人のため」にもなるのです。
上司(指揮命令者)に直接伝えにくい場合、派遣スタッフだったら、派遣会社のコーディネーターに相談するのも方法のひとつです。解決策を提示してくれて、派遣会社から派遣先の指揮命令者に話を伝えてくれるケースもあります。

まとめ

いかがでしたか? 自分ファーストは、ただの自分勝手やわがままではありません。自分の価値観に従って、他の人が言えないことを言ったり、できないことをすることによって、自分自身がより楽しく、働きやすくなり、職場の環境を良くすることもできる生き方です。周囲に気を遣うことも大事ですが、自分の心にウソをつかず、素直に正直に生きることも重要です。あなたも自分ファーストな生き方をしてみませんか?

ライター:鈴木にこ
求人メディアの編集者を経て、フリーランスとして活動中。派遣・新卒・転職メディアの編集協力、ビジネス・ライフスタイル関連の書籍や記事のライティングをおこなう。