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すぐ辞める!手に負えない!「モンスター新人」が入社してきたら?最近の新入社員の傾向と対処法

すぐ辞める!手に負えない!「モンスター新人」が入社してきたら?最近の新入社員の傾向と対処法

期待の新人が3カ月で退社、何度教えても仕事を覚えようとしない、ちょっと指摘するとすぐ席を外す……などなど、新入社員の問題行動に悩む先輩社員や上司は少なくありません。最初のうちは誰もが通ること。新人のうちは失敗と反省を繰り返しながら、仕事を覚えていくものだとわかっていても、態度や行動次第では目に余る場合もあります。
そんな、「あるある」な新入社員の行動と、その対処法、新入社員の育成でのイライラを緩和するための方法を紹介します。

新入社員の傾向と問題行動あるある

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新人社員の傾向

「最近の新人は、何を考えているか分からない」と感じる先輩社員や上司は多いでしょう。問題行動を起こす新入社員には、大まかに次のような傾向があるといわれます。

・叱られることに免疫がなく、失敗を恐れる
・自分で考えるよりも先に、答えを求める
・この会社で長く働くかは分からないと考えている
・出世や昇進よりも、プライベートを重視している

背景には、親や教師が子どもを厳しく叱るケースが少なくなったことや、インターネットが身近で、検索をすればすぐ答えが出てくるという環境で育ってきたことが挙げられます。また、近年では年功序列・終身雇用のシステムが崩れつつあり、いわゆるジョブ型雇用など多様な働き方が奨励されていることも影響しているようです。

新人社員の問題行動あるある

実際に、新入社員の問題行動には、どのようなものがあるでしょうか。よくあるケースを見てみましょう。

・何度教えてもメモを取らず、「仕事を覚えよう」という姿勢を感じられない
・分かっていなくても「分かりました」「大丈夫です」と言ってしまう
・軽く注意をしただけでムッとしてしまう
・「ヤバい」「マジで」などの若者言葉を多用する、先輩社員や上司にため口で話す
・会社の電話に出たがらない、基本的な電話応対ができない
・ため息ばかりつく、あくびや私語が多い、目に見えてやる気がない
・最低限の「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」ができない、ミスを隠そうとして取り返しがつかない状態になる

手に負えないモンスター新人とは

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なかには、「新人だから」ではすまされないような、手に負えない問題行動を起こす「モンスター新人」もいます。いくつか具体例を見てみましょう。

・軽く注意しただけで、翌日から無断欠勤し、会社に来ないまま退職する
・間違いを指摘しただけで、「パワハラ・セクハラで訴える」と言ってくる
・トイレで長時間サボる、無断で遅刻・早退を繰り返す
・遅刻や欠勤の連絡を親が代わりにする
・親が文句を言いに会社に乗り込んでくることも
・スマートフォンで職場を撮影して勝手にSNSにアップする
・SNSで職場の愚痴や悪口を言ったり、機密情報に当たるような情報を軽はずみに投稿する
・理由を告げずに突然辞める

問題新入社員への対処法

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新入社員の問題行動の多くは、先輩社員・上司とのコミュニケーション不足が原因といえそうです。お互いにコミュニケーションを取っているようで、新入社員が先輩社員や上司の言っていることを実は理解していなかったり、先輩社員や上司に対して萎縮したり不信感を持っていたり…。そして、悩みを相談できないまま、結果的に問題行動を招いてしまうことが多いのです。新入社員の問題行動を防ぐための対処法を見ていきましょう。

指示が相手に伝わっているかを確認する

入社したばかりの社員が、上司や先輩社員の指示を完璧に理解するのは難しいものです。お願いする仕事には、どんな意義があり、いつまでに、具体的にどんな作業をして、どのような成果物にしてほしいのかをしっかり伝えましょう。

資料の作成をお願いする場合

「A4のリポート用紙で10枚くらい」「パワーポイントで3ページくらい」「文字は少なめで図表は4つ程度」など、はじめのうちは細かく指定してあげるとよいでしょう。また、その仕事のなかで、「どのような点で失敗しやすいか」といった注意点も伝えましょう。
さらに、こちらの指示した内容を新入社員に繰り返して言ってもらいましょう。理解できているかを確認することもポイントです。

先輩としてお手本を見せる

新入社員は、要求される仕事のレベルが分かりません。そこで、言葉で教えるよりもまずはお手本を見せるようにしましょう。先輩社員や上司が、普段から会社として求められているレベルの電話対応、報告、あいさつなどを見せて、新入社員に理解してもらいます。

効果的な叱り方

今どきの新入社員は、親や教師から叱られた経験が少なく、叱られることに免疫がない人が多いといわれます。そのため、周囲の人たちからの注意やアドバイスを受けて、前向きに捉えられない人もいます。

注意やアドバイスをする際は、まず「褒める」ようにしましょう。例えば、「〇〇さんは、こういうところを頑張っているよね」「前より、ここが良くなったね」と褒めた上で、「ここを改善したら、もっと良くなるよ」とアドバイスをすると、受け入れてもらえやすくなります。

効果的な褒め方

新入社員を褒める際は、小さな結果でも褒めることが重要です。基本的に、仕事に不慣れな新入社員は、成功よりも失敗のほうが多くなるものです。
失敗続きだからといって、小さな成功に対して「できて当たり前」と思わないで、「できるようになったね!」と、褒めてあげましょう。

その上で、普段から褒めることを習慣化してみましょう。例えば、新入社員からのホウレンソウや事務連絡時などに、「良くなったね」「助かったよ」など、ねぎらいも兼ねて褒め言葉を付け足すだけでも効果的です。褒めることで、新入社員のモチベーションが上がり、お互いにの距離も縮まります。
また、「課長も、こう褒めていたよ」などと、第三者の言葉を借りて褒めるのもおすすめです。

新入社員指導に伴う、イライラを緩和する方法

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新入社員を教える時、「これだけ言ったのだからできるだろう」などと、期待してしまいますが、「はじめのうちは、できない」ことを前提に指導しましょう。イライラしなくて済みますし、できた時スムーズに褒めることができます。

難しければ上司に相談する

これが一番重要です。イライラしている時は視野が狭くなり、新入社員の話を聞いてあげることができなくなります。行き詰まることがあったら、早い段階で上司に相談しましょう。
また、自分ではとても手に負えないモンスター新人がいることを知ってもらい、上司に問題解決の手伝いをしてもらうことも大事です。

まとめ 先輩社員としての心構え

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先輩社員は、新人社員を育てる立場として、新入社員を取り巻く環境や悩んでいること、将来についてどう考えているのか、大事にしている価値観は何かなど、新入社員一人ひとりのことをよく知ることも大切です。

可能な限り、定期的に1on1ミーティングなどの機会を設けるようにするとよいでしょう。その際に、自分からの一方的な指摘やアドバイスに終始してしまうと、新入社員は萎縮して、話せなくなります。新入社員が気軽に話をしやすい場を作ることを心がけましょう。

話を聞く時は、目を見る、うなずく、相づちを打つ、相手の言葉を繰り返すなど共感する態度で示すことで、新入社員は自分のことを理解してくれると感じ、より素直に打ち明けてくれるようになります。