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人生の三大資金「住宅資金」「教育資金」「老後資金」に必要なマネープラン

人生の三大資金「住宅資金」「教育資金」「老後資金」に必要なマネープラン

生きていくうえで大きな割合を占めるのが、住宅・教育・老後にかかる資金。この3つの資金のことを「人生の三大資金」といいます。現在の生活だって大変なのに、そんなことをいわれても…と不安になる方もいるかもしれません。そこで、前向きなマネーライフを送るために「お金の不安」とどう向き合えばいいか、そのヒントをご紹介していきます。

ライフプランの形を決める人生の三大資金

「住宅資金」「教育資金」「老後資金」の人生の三大資金をどれだけ確保するかによって、毎年の家計の収支計画が変わってきます。「資産として不動産を持っておきたい」「結婚して子どもができたので一軒家がほしい」というように、住宅ローンも含めた住宅資金にお金をかける家計もあれば、「子どもの教育が第一!」というように、教育資金の比重が高い家計もあります。つまり、三大資金のどこに比重を置くかで、その人のマネープランの形が決まるともいえます。こうした背景を踏まえ、三大資金のそれぞれ特徴から説明していきましょう。

住宅資金の内訳、目安、ローンを低く抑えるポイント

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日本において、住宅は大きな資産価値を持ちます。近年は一生涯を賃貸で過ごす人も増えていますが、まだまだ住宅を持つことに対し「社会人としてのステップアップ」と捉えている人も多いようです。

住宅資金の内訳

多くの場合、住宅資金として物件価格の2割程度を準備し、諸費用として支払います。この諸費用には、税金や登記費用、不動産会社への仲介手数料が含まれます。そして、物件価格そのものは金融機関で住宅ローンを組み、金利を加えた額を数十年にわたって支払っていきます。
一戸建て住宅は、メンテナンス費用を自分たちで支払わなければならない一方で、マンションは管理組合費という形で徴収されることが多いため、諸費用の内訳に違いがあります。

住宅資金の目安

ローン借入額は物件の金額によりますが、だいたい2,000万~4,000万円ほど。諸費用を2割とすると、500万円程度を頭金として確保し、残りのローンを30~40年で組むケースが一般的です。
頭金が用意できない場合は、諸費用も含めてローンを組むこともできます。この場合、頭金を貯蓄する必要がない一方、ローン借入額が大きくなるため返済期間が増すというデメリットが考えられます。

住宅ローンを低く抑えるポイント

住宅ローンは、金利の変動にあわせて「借り換え」することが可能です。その時々の市場相場や金融機関の商品ラインナップにより適用される金利は変わってくるため、その都度、借り換えを行うことが金利を低く抑えるポイントです。ただし、あまり頻繁にローンの借り換えを行うと、手続きなどのイニシャルコスト(初期費用)がかかるので注意しましょう。

子どもが生まれたら考える、教育資金の目安

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比較的、子どもの教育費がかからない小学校や中学校は、住宅資金などほかのことに回してしまいがちです。しかし、大学入学と同時にかかる大きな負担に備えて、子どもが生まれてから少しずつ貯めておくことが大切です。

教育資金の目安

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文部科学省のデータによると、幼稚園から大学までの学費としては、すべて公立の場合は約400万円、すべて私立の場合は約830万円かかり、倍以上の違いがあります。そのほかに、学校外活動費や交通費、一人暮らしをする場合の費用なども考えると、負担額はさらに増えるでしょう。とはいえ公立・私立は、子どものキャリアプランは、その時にならないとわからないもの。そのため、教育費の貯蓄は大学入学をゴールとして、必要になった時に対応できるよう多めに準備することが大切です。現預金のほかに、教育資金になる学資保険や満期付きの定期保険を活用することも考えておきましょう。

老後資金の目安、老後資金にあてられるもの

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誕生日が近くなると自宅に届く「ねんきん定期便」には、おおよその年金受給額が書かれています。しかし、自分が受給者になった時に年金制度がどうなっているのか、物価はどうなっているかはわかりません。そのため、老後資金となるものを、可能な範囲で今から準備していくことが大切です。

老後資金の目安

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定年後の無職夫婦の場合、社会保障給付などの実収入に加え、約55,000円の持ち出し(それまでの貯蓄から充当すること)、高齢者単身の場合、約40,000円の持ち出しになります。これらは生活必需の支出のみのため、老後の楽しみとして旅行や子どもたちへのお小遣いなども考えると、公的年金以外にも「いずれ老後資金になるもの」を準備していく必要があります。

貯金以外で老後資金を準備するには?

いずれ老後資金になるものとしては、生命保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)が代表的です。生命保険は病気やケガを保障する医療保険ではなく、長期間にわたって保険料を納め、希望するタイミングで解約をする終身保険です。通常、終身保険は亡くなった時に残された家族に対して生活を保障するものですが、解約のタイミングを工夫すれば「老後資金」とすることもできます。また、iDeCoも原則として60歳まで中途引き出しや解約ができないことから、老後資金として考えることができます。

また、居住用住宅を「老後資金」にすることもできます。これは、何十年も居住した住宅に評価額をつけ、その分の融資を金融機関から受ける「リバースモーゲージ」といわれる商品です。売り手は金融機関で、借入後の生きている間は元本を返済せず金利だけ支払えばよいのです。そして亡くなった後、金融機関が担保として設定した住宅を売却することにより、返済に代えることができます。

リバースモーゲージは、住宅購入と同時に老後資金が確保できる一方、住宅の評価額が希望通りにならないというケースも少なくありません。また、資金借入者が亡くなった場合、残された家族の住む家が無くなってしまうことも懸念点のひとつです。

お金の不安を軽減するために

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マネープランを考える時に大切なことは、不安になり過ぎないこと。「本当にお金を貯めることができるのかな」という不安が強くなると、毎日の仕事や日常生活にも悪影響が出てしまいます。不安を無くすためのひとつの方法は、家計の実情を「可視化」させることです。毎月の収支や支出を客観的に管理することによって、節約する部分の洗い出しができます。

今回ご紹介した人生の三大資金以外にも、スマートフォンの利用料や生命保険など、新たな支出が負担としてかかっている場合もあります。自分自身や家族の生活で、支出として出ていく「決まった部分」と「変わる可能性のある部分」を考えて、長いスパンで準備していきましょう。

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